春の相場は難しい(日刊版4月05日付)

三月のライオンは去る事無く、四月になっても、まだその辺にいて吼えてござる。くわばらくわばら。

春なれや名もなき山の朝がすみ  芭蕉。

寒くなったり、暖かくなったり。

ある日、春の嵐が吹き荒れたかと思えば、次の日は、うららかな日差しが頬を撫でる。

朝はまだ寒い。電車を待つ人たちは、外套を着ていたり、着ていなかったり。

朝に厚着の人も、昼になるとワイシャツの腕を捲り上げ、汗をかきかき、昼飯に向かう。

こんな時期に、人は体調を崩しやすい。

春の憂い、留まらず。

さてNYダウも、原油も、貴金属も、この三日に大陰線を入れ、全てが終わったようだ。

NYダウ平均が、新高値を取った後、かぶせ気味の、ほぼ丸坊主陰線。これは暴落の兆し。

こうなると、白金も、原油も、工業製品はきつい下げが入る。

それにしても、春の相場は難しい。

桜満開も、春の嵐で散る。悲しいかな、昨日の嵐で、強気も吹っ飛んでしまった。

弱気に転じれば、強気に転じ、強気に転じれば、弱気に転じる。

我れ思う、故に我有り―では相場に勝てない。

我れ何も思わず、故に、我れ相場を仕掛けず。ただ、我れ思わざれば、すなわち玉建たず。

相場が思うようにいかないのは、我れ思うことなかれ。

我れ、強気から弱気に転じれば、相場も相場でまた変わろう。

NYダウ平均が、14300㌦を下に切ってくれば、強気の梯子も完全に外されよう。

今は、そうなるか否かを見届けることにする。