崩れはない。押すだけだ
大きな上昇トレンドの中にある小豆相場は、弱気の考えているような崩れはない。
小豆の弱気は、春の相場は売り上がればなんとかなるという気がある。
天候相場じゃあるまいし、需給相場の上値はおのずから限界があるし、しかも輸入小豆時代だ―と。
それは昨年の一月、二月相場でも似たような考えがあった。
しかし、その考え方は綺麗にくつがえされて一月第三週から目をみはる上昇テンポで弱気は踏まされた。
昨年はファンダメンタルズが強気に味方し、買い大手が存在し、そして買い方の努力相場が続いた。
それが効果をあげた。そのあとの相場(六月、七月、八月)は、これは減反と天候不順というファクターが加重され、春の相場とはまた別の性格を持った。
今年の春相場も、昨年の一、二月相場をお手本にすればよいのではないか。
今年は投機に対してのボリウムが一段と高まる年だと思う。すでにその兆候が昨年から出ていることに注目したい。
世の中の景気は盛り上がらないが、原子炉の火のような巨大なエネルギーが投機の場を求めて、商品先物市場に流入する。
要するに、えたいのしれないお金である。
小豆の市場にしても、それはいえるだろう。そのことを今年は頭の中に入れておかないと、相場が判らなくなる。
さて、今の小豆だが三万四千円を抜くと三万五千三百円の窓を埋めに行く激しい上昇トレンドに乗るだろう。
もちろん今の相場は大きな上昇トレンドの中にある。
千円、千五百円の下げは押し目という見方でオペレーションしないことには、ついていけない流れだ。
●編集部註
例年、NHKの大河ドラマは1月から始まる。
この年に放送されたのは「峠の群像」。日本人が大好きな忠臣蔵で、大石内蔵助を緒形拳、吉良上野介を伊丹十三が演じた。
原作者は、通産官僚時代は大阪万博や沖縄海洋博の企画に参加し、退官後は作家として『団塊の世代』という言葉を世に広めた堺屋太一である。
この作品は、時代小説であると同時に、物語の序盤は塩という商品を巡る経済小説でもあり、それ以降は赤穂藩という企業が倒産した際の業務整理、人事処理、リストラ後の社員(藩士)の動向を描いた企業小説の側面があり、これまでの忠臣蔵と若干視点が違う。
彼はこの作品以外に、豊臣秀吉の弟である秀長を主人公に据えた「ある補佐役の生涯」など、手垢にまみれた題材を別視点から捉えた時代小説を幾つか執筆している。