昭和の風林史(昭和五七年三月十七日掲載分)

下げるために日柄を稼ぐ

目先は戻しそうに見えても、盛りのよいところは売られて来週は、また安いと思う。

小豆相場は、ここで戻せば判りやすい。
どれだけ戻せるかである。
強弱のほうは六本木筋がどうだ、こうだと、まるで六本木筋が相場を支配しているふうだ。
小豆市場は、これだから小さいと言われ敬遠されるわけだが、これが現実。
次期枠の予測に思惑が絡む。ひと頃は、通常に発券されるかどうかが強弱の焦点だったが、通常で大型というところまできている。大型といっても常識的には二千二百五十万㌦見当でなかろうか。
取引員自己玉は買いが減った。これは売られていた取り組みが急落で利食いされたことを物語る。
あと、ドテン買い人気になれば当然自己玉は売り建て増となる。
目先の相場としては一ツの抵抗トレンドにぶつかっているから、このあたりでジグザグするかもしれない。また四千円割れ買いという指値の抵抗もある。
買い方にすれば、ここから千円下はないという見方でないと玉は維持できない。
罫線の横の目盛りから数えると今週一杯は強含みの横ばいだろうと思う。
そして彼岸の三連休を迎えて、来週から新たな展開を求める。
その時四千円を踏みはずして、もう千丁安いか、今週の横ばいを土台に五千円近くまで戻すかだろう。
本当いうと、ここ両日は来週に下げるための日柄稼ぎである。
弱気側にすれば、ここは買うだけ買ってくれて、またドスンとくるのを期待する。強気は、売り込んでほしいと願うだろう。

●編集部註
 1981年の春頃から1982年の春頃にかけての小豆相場の値動きを俯瞰すると、どうも3万 4000円の値位置に一本の線を引く事が出来る。
 81年の春から初夏にかけて、この線は上値抵抗線に、同年6月に突破して以降同年10月までは下値支持線になっていた。
 この線を割り込んだ相場は81年12月から82年1月末にかけて何度か突破を試みるが失敗。しかし下値は切り上がり、俗にいう「アセンディング・トライアングル」を形成。これは目先の上昇を示唆する線形であった。実際、この線を突破した相場は2000円上昇する。
 この文章が掲載されている頃、3万4000円の値位置は重要なサポートラインになっていた。恐らく買い方は、前年6~10月の相場パターンを想像していたと思われる。