小豆戻り待ちに戻りなし
来週は小豆崩れ、輸大期近高のリズムが戻ってくるだろう。そのような足どり。
小豆相場の強く見せるあたりは、高値掴みで引かされている(逆境にある)買い玉の最後の逃げ場になると思う。
といって、三万五百円どころや三万一千円台の買い玉に救いのボートがくるわけでない。
高値の買い玉持って頑張っている人にとって、相場が強張ると、今少し、もうちょっと―と欲が出る。
相場用語で「戻り待ちに戻りなし」という。
だから大勢、大局を見きわめたら「見切り千両」がよい。この見切りが、なかなかできないところが相場の奥の深さであろう。
だいたい豊作相場を出したとみるのが今の強気である。筆者は、こんなことで豊作相場とはいえないと思う。
次期枠の絞り込みとか、ホクレンのテコ入れとか政策面に期待する向きもあるが、この政策というものは、たえずあと追いになる。相場は先見性の先取りだから、二万七千円ぐらいに落ち込んでから政策が相場に響いてこよう。
トレンドは非常に鮮明な肩下がりの中にある。
それでいて東西取り組みが漸増している。これを逆ウォッチのケイ線でいうと、ドカ下げ接近となる。
ともかく売っておいて怖くないという相場だ。それにもかかわらず買いたい人が多い。
高値おぼえというのか、値頃観なのか判らないが、安易な気持ちで買っていると真空斬りというか、脳天からお臍まで、真空唐竹割りで声出す間もあるまい。
輸入大豆のほうは、来週からが本格上昇である。8日のS安で東京先限は八月15日安値を五十円下回ったが大阪先限八百八十円は八月14日安値顔合せが頑強。
期近二本は時限爆弾で新ポの高値を抜いてから追っても間に合うという相場つきである。
●編集部註
買い方で、しかも罫線読みの思考法になると、ここでの記述をハイそうですかと納得はしないだろう。もっとも相場のような不確定要素満載の事象に納得もへったくれもないのだが…。
9月の相場を、7月からの安値切り上がりの保合い場面と見たら、ここは押し目となる。ただ、保合い故、この相場は放れてみなければ判らない。
奇しくもこの日、東宝が創立50周年記念作品の「幻の湖」が公開された。
七人の侍等、黒澤明の大半の作品の脚本を手掛けた橋本忍が製作、原作、脚本、監督を務めたこの作品、ぶっ飛んだ内容に後にカルト映画になるが、公開時、東京では公開2週間で打ち切りとなる歴史的大失敗作となった。