今週が最大の山場である
小豆業界は存亡の危機感を強めている。無理がどこまで通るのだろうか。
小豆業界は『それでも私は買う』というふうな買い方の煽りめいた手に業界は不快指数を高め、こんなことを続けていたら小豆市場はふっ飛んでしまうと深刻化している。
『関係取引所は事態をどこまで認識しているのか』。『市場管理面だけでなく取引員としてのモラルの面を行政当局は指導できないのか』。
いろいろうっ積しているものを筆者のところにぶつけにくる電話がひきもきらない。
『今月納会受けるのか受けさせるのか』―と。
そういうことは判らん。
ただ、流れというものを見ていたら(1)お天気は上々。(2)作柄は順調。(3)作付け増反。(4)今月の入荷入船順調。(5)渡し物豊富。(6)逆ザヤで現物の売れ行き悪化。(7)人気離散―と、相場要因は決して買いに味方していない。
ただ、人気が非常に弱いという現実ではあるが、異常市場だけに、これは平常時と同じような見方はできない。
テクニカルな面からいえば五月10日、19日、六月3日の大引け星足は中段の三番戻し完了で、日柄30日を経過しているだけに、下げだすと怖いことになる。
役所や東穀は場を潰さんよう慎重な態度で収拾策を考えていると思うが、はたから見ていたら手ぬるく感じる。しかし今週あたりから、アヒルの水かきも表面的な動きになろう。
このまま放置すれば場が潰れる―という危機感が日毎エスカレートしているのは取引所自身だ。
相場は強弱の段階を通り過ぎているかもしれないが、先週の買い方の行動を見ていると焦燥の色が非常に強く出ていた。
業界世論と現物の重味と味方せぬ天候の三重苦を背にすれば心中察するに余りある。しかし、天の理味方せぬ戦いは勝てない。
●編集部註
依然もハント兄弟の銀買い占めを引き合いに出し、風林火山は腕力相場の限界を説いた。
曰く、必ず失敗すると―。実際にそうなる。
天然の流れを逸脱させると、必ずその咎めを受けるのは自明の理である。
さてこの時期、英国とアルゼンチンとの間で4月に勃発したフォークランド紛争が終結している。
その少し前にロッキード事件の公判で現役の政治家に実刑判決が下されている。
全体的に見てこの頃、一つの事象における何らかの節目を迎える時間帯に入っているような印象を受ける。
狂乱の小豆相場も例外ではなかった。