円は下げるしかなかろう
円暴落、シカゴ大豆安で穀取輸大はどう反応するかを考えておくところである。
一般に円相場は強い基調という見方に定着しているが、三月七日の高値一㌦二二〇円で円相場は当面の高値を出しきり、二二九円→二三五円あたりに落ち込む可能性が強いと思う。
円は21週にわたる細長い二三五円中心の三角旗(ペナント)から、狂ったように奔騰した。多分に仕手的要因によるもので、居合い抜きで斬り捨て勝負は終わっている。
しかし為替ビジネス関連は高値圏で円高態勢のポジションに移された。
先週、先々週の動きから見ると、すでに瞬発エネルギーは燃焼している。
従って高値で、下げるためのエネルギーをためた相場は二三〇円台に落ち込み、強気筋を狼狽させる場面を迎えるだろう。
円安なら、輸入関連商品は、円高時に売られた分を、取り返すわけで、ゴム、輸入大豆等の相場に直接響いてくる。
アメリカの景気は過熱を心配されるほど回復歩調と伝え、金融引き締め→高金利→ドル高のパターンが再現されそうだ。
商品(コモディティ)にきかかっていた投機資金が再び金利に逆戻りすれば、われわれが以前に経験したシカゴ大豆相場(ドル高を嫌気→投機マインド減退→相場安)を再現するかもしれない。
その場合、シカゴ安だが円安で、穀取大豆が難かしい場面に立たされるかもしれない。
小豆相場は、関心が薄れているが、『こんな相場見たことがない』という。
疲れているがヒロポン注射(今でいうマリファナみたいなもの)で、もたせているふうに思える。
●編集部註
数字やロジックを大切にする相場の世界の住人としては、ロジックもクソもなくなあなあな感じで決まったと感じる緊急事態宣言が、これまたなあなあな感じで解除されたおかげで復活した日刊紙の注釈の一発目のオチが「ヒロポン」とは面白いやら、申し訳ないやら。
尤もヒロポンとは「仕事が好き」という意味であると1991年に公開された阪本順治監督の映画「王手」の中で、金子信雄演じる新世界のドンが言っていた。あと麻薬という括りでは一緒だが、効能という括りではマリファナとは真逆の存在だ。怪態なマスクも10万円も未だ来ず。どうもお上は仕事がお嫌いなようだ。
時間を考慮して出勤していたが、空いている電車に乗り、まぼろしの市街戦の如きガランとした街並みを歩く日常を経験すると、2カ月前が非日常に見える。この時の相場反転場面のようである。
令和2年6月1日記