シカゴ 下げトレンドと離婚
シカゴ大豆が下げトレンドと離婚した。新しい相場に入っていく。銀が熱烈歓迎。
取引所に銀が上場される前の日本での相場の動きは現物価格を参考にするわけで、この数字「ザ・シルバー」(当社発行¥150)掲載の分をグラフに書き直し、これを次回発行の「コモディティ・オピニオン」(当社発行月間¥200)に掲載する。
東京シルバーは海外高を反映して新高値に飛んだ。昨年二月に現物価格113円がある。とりあえず目先的には79円50。これを買い切ると83円50が目標。取り組みも二万枚に乗せ、更に増大傾向を辿れば、昨年8月から9月にかけて窓あけて崩れたその窓の85円→90円を埋める勢がつくだろう。
シカゴ大豆が下げトレンドと離婚した。
下げも下げたり去年の九月から大台九㌦→八㌦→七㌦と三ツ替わりの実にダイナミックな下げトレンドの中を判りやすく下げてきた。
シカゴの線は確かにコンピューター筋のぶっ叩きなど急所急所で効果を挙げてサポートライン、レジスタンスラインのトレンドに忠実というべきか、ある種のシステムを持ったソフト・プログラムによるオペレーションであった事が、その線を分析していくと判る。
この事については当社発行の「月刊商品先物市場」誌で“ファンダメンタリストへの警告”(58年11月号藤本晨教氏)が綿花市場を例にとって解説しているし、同誌本年三月号では住友商事の加藤元昭氏が“米国先物市場のドラマ”で投機家デニス氏のコンピューター売買の勝利を紹介している。
相場の世界も、その売買テクニカルズが非常に速い勢いで変化していて、銀にしても大豆にしても、その海外における市場背景を理解しておかないと流れが判らなくなろう。
筆者は目下それらの判りやすい解説書を執筆中で出版準備に多忙の毎日。
●編集部註
降る雪や明治は遠くなりにけり(中村草田男)
その後この句をもじって一時期「昭和も遠くなりにけり」という語句を用いた本歌取りや著述をあちこちで見る事になる。
当節、フラッシュ取引も古くなっているという話をちらほら聞くが、このような電子取引や電子決済の黎明期らしき記述が今回の文章。平素当たり前に用いている言葉が新語のように取り扱われており、まさしく「昭和も遠くなりにけり」だ。
ウィンドウズ95が発売され、PCが広く世間に届くまであと10年。フロッピーディスクの前はもうひと回り大きな薄いディスク、その前は磁気テープが記憶媒体で―と書いている内に、ひどく大昔の事を話しているようで自分が嫌になってきた。