天候相場までに息切れが
まだまだ小豆相場に気が乗っていないようだ。30㎏建限月はミニミニの感覚である。
雑豆輸入次期枠発券接近で小豆相場は神経質な動きをしている。
市場のほうは六月限の取り組みと、手口に最大の関心を集める。
小豆を強気する人達は今年の北海道は昨年よりもっと悪い大凶作型の天候と予測している。
気象庁編『異常気象レポート84』近年における世界の異常気象の実態調査とその長期見通しについて(千三百円・政府刊行物販売所)は豊富なデータときわめて専門的な分析によるお天気についての論文であるが、これを各々どのように理解するか?である。
お天気がきわめて異常であることは誰でも判っている。そして今後も異常気象の現象は顕著になろう。
しかし、だから今年の夏も冷夏になるとは断定できないし、そのような予言のような結論は論文に絶対書かない。
話は違うが、若い女の子の今年のファッションはマリン・ルックだそうだ。
海→夏→暑いというイメージが流行の感覚になっている。この世相というものは、実に不思議な先見性を有し、預言者的な説得力もある。これは流行の動物的嗅覚だと思う。
小豆の世界三十余年という人が『皆さん今年の北海道は冷夏と予想しているでしょう。案外、平年作以上ということになるのですよ』と。
その言わんとするところは判る。学術的データに基づく判断ではなくこれは相場師の嗅覚であり、人気の裏である。
さて、今後を占う意味において30㎏建限月(九月限)の対応感覚は十分注意して見ていく必要がある。
まだやりにくいし摑みにくいのは当然だが、なんとなくミニミニの物足りなさは誰もが目下のところ感じているのでなかろうか。強弱も気が乗っていない。
●編集部註
マリン・ルックと来て下の句のように「マリーナの夏」と出て来る筆者は、昭和のロートルだ。
尤も、フジTVの「夕 焼けニャンニャン」が始まったのは1985年。この時分は「オールナイトフジ」をやっていて、世間では所謂「女子大生ブーム」が起きていた。調べてみると、丁度この頃に、今もタレントとして活躍している松本明子が、共演者にそそのかされて生放送中に放送禁止用語を連呼。これが原因で謹慎させられている。
この頃、テレビ業界ではフジが「軽チャー路線」をひた走り、社会も産業も重厚長大から軽薄短小へとシフトしている。
ここで登場する「30㎏建限月」もまた、軽薄短小の流れで生まれた仇花だったのかも知れない。