小豆買い過ぎの反動あり
片寄った取り組みの小豆だが、買い方が頑張るほど地すべり現象になりかねない。
今の小豆は、誰と誰が買っているか、買い方の顔が見えているから、その人の相場のやり方も、だいたい判っている。
見える魚は釣れないそうだが、誰が買っているかが、あからさまに判ってしまう相場は、やりにくい。
小豆のトレンドは前に回った四月限にしても三月12日に綺麗な三段上げの天井をして、下げの中にある。しかも新値(節足)23本という限界を越えた相場だけに、買い方が頑張るほど、あとが悪い。
彼岸過ぎても低温続きで、北海道の春耕遅れ→播種遅れ→発芽期の遅霜→夏の低温などを連想して、今年も小豆は凶作必至という考えかたは当然である。
また、昭和に入って九のつく年の北海道小豆は、不作に泣かされることが多かった。
それだけに買い方にとって夏の天候に勝負を賭ける気持ちは強いし、当然であろう。
しかし、現実の足元は春需要の伸びが非常に悪い。発券も接近していて需給もゆるむ。
内部要因面は踏みが出たあとでもあるし、高値買い玉が因果になっている。
更にいえば、四月後半から五月にかけて、一気にお天気の遅れを取り戻す可能性もある。
大豪雪必らずしも冷夏とはならない。
取り組みが片寄っているだけに、大衆の人気盛り上がりは期待できない。
このような段階で30㎏建九月限を天候思惑で(証拠金額の低さの魅力もあって)新甫に買った人も多いと聞く。
ところが、北海道新穀限月が高く生まれ過ぎS安に斬られ地合をそこねた。
やはり相場というものは、天井したものは、底打つまで、どなた様が買っても流れに従って日柄等の疲れをいやすのである。
●編集部註
年の末尾ごとに分類して、その年の相場展開や社会情勢を羅列。それを分析して来るべき年に備えるという手法がある。ここでは昭和五「九」年の話が出て来るが、中原駿氏は西暦で同じように分類。今年は202「0」年であり、中原氏は金融版や商品版、レポートの中で、各種相場の「0」の年を分析している。
同様の「0」の年の分類は、メリマン氏もやっている。しかも、今回は米国で4年に一度の大統領選が行われる「0」の年。『フォーキャスト2 020』ではこれに関する興味深い〝特徴〟を指摘。これに関しては、来週発売のメリマンインタビューの中でも採り上げられている。
令和2年6月11日記