昭和の風林史(昭和五八年九月八日掲載分)

輸大は自壊作用待つのみ

輸大は上値あってよしで売り上がる分には遅くても月の中旬頃天井して自壊する。

『小豆は判らん』という人がふえた。

判らんものに手を出すな―が相場の鉄則。

『手を出すなと言っても高値に買い玉、安値に売り玉、両建パッチの両裂け。これ如何にせん?』―と。

売り玉でも買い玉でも利の乗った玉は利食いしてしまうから、建っている玉は入院患者みたいなもの。

入院患者が一番ほしがるものは気やすめになる言葉。

ところがこの気やすめ剤が玉にとっては一番の毒。

当限に回って納会遂に地下の霊安室行きとなる。

さてこの小豆、在庫薄が期近の支えになっているが先三本は線が重なりだして、放れ接近を思わせる。

上に放れるか下に放れるか、それが難解なところだが、高ければ売り。要するに大底が入るまで天井した相場は売っておくだけ。

輸大のほうはシカゴ取り組みが、ゆるやかに減少しだしたのが怖い。

穀取は期近が煎れ高、先のほうは大衆筋の利食い。

連休明けのシカゴ高を前もって買っていたわけだ。

相場としては、だいたい天井圏での乱高下。

まあもう一段高に買われるとしても九月中旬には完全天井しているだろう。

強気は玉の回転が利いているだけに、どこまでも買い気満々で行くが、秋風吹いたら買い玉持つな。つるべ落としの下げ相場に遭遇して九仭の功を一きに欠くということが多い。

見ているとシカゴの10㌦を言い過ぎる。

これは、そうあってほしいという願いでもあろうが、シカゴは三山三尊天井型。

まあこれからは上値あってよしで先のほうの限月を売り上がるつもりなら中国だっていずれは売らねばならないのだから、怖い相場でない。

相場は最も強く見えたところが天井。あとは相場の自壊を待つだけ。

●編集部註
 〝判らんものに手を出すな―が相場の鉄則〟これは古今東西で不変の法則であると言える。
 当節、世界で最も知られている投資家といえばやはりウォーレン・バフ ェットであろうか。彼は幼少時代から投資を始めたが、投資対象はコカ・コーラなどの実業が中心で、つい最近までIT企業に投資しなかった。
 個人的には、やはりビットコインであろうか。
 ブロックチェーンとか、マイニングとか、仕組みは色々調べてはみたのだけど、イマイチ変動要因がよく判らない。故に、今はやらないと決めた。