相場が相場をこわす段階
シカゴ大豆は三番天井をとったようだ。穀取大出来高。相場が相場をこわしだす。
大引け足ではシカゴ大豆はレスリー天井(9日)だ。
八月16・25日、九月9日。三ツの頭である。
農務省発表数字で13日S高まで買ったあとパニック下げは、相場として三番天井を示した。
取り組みは七億ブッシェルを割り込んで、さしもの熱波騒ぎの人気相場は終焉を知らせている。
日数ではシカゴ六月29日安値起点に(日足)33本目が八月16日。40本目が25日。そして九月13日USDA天井が52本目に当たる。
トレンドもヨジレだした。九㌦台での下げ抵抗を見せても相場は重くなるばかりだ。そして、ダンゴ天井型か富士山の擂鉢型天井にもなり得る。
天井必らずしも鋭角型でない。シカゴ期近が八㌦95以下の大引け足を見てから三番天井確認とするもよしだが、問題は穀取輸大。
こちらのほうは煎れる玉に利食い売り。新規もかなり買って大出来高。
バイカイも大きな数字で懐の中が大きく変化。
組織営業は六千円目標で回転を利かすだけ利かすところ。
買い方大当たりだけに鼻息荒いのは当然だが、満つれば欠くるが相場の世界。
在庫がないのならともかく十分な量があるうえに中国大豆も入荷するし、新穀成約も進むだろう。
またブラジル、アルゼンチンも来月から作付けが始まる。当然増産意欲が高まるだろう。
ともかく燃えさかる火即ち人気(仮需要)がある段階にくると、ちょっとしたきっかけで大反動を招くのは、いつもの事で、古くはオランダのチューリップ球根投機を見るまでもない。またハントの銀相場にしても同じだ。
高値圏における大出来高には気をつけるべしの休日前だった。
●編集部註
レスリー天井とは、言い得て妙の感がある。
なかなかに相場の節目に人の名前がつく事は珍しい。リーマンショックは会社の名前、ブレグジットは政治・政策に関係する名前だ。レスリー天井の様にその当時の人ならわかる事はあっても、世世を経て忘れられると消えてしまう。
相場の節目で人の名前がつき、その後の歴史ににも残ったケースは、後にも先にもヨシフ・スターリンくらいではないか。所謂「スターリン暴落」だ。
53年3月、スターリンが急逝。当時、朝鮮戦争の特需でバブル化していた日本の株式市場は、休戦会談の再開提案等を背景に暴落した。
今も伝説になっているのは、その年の2月11日、「桐一葉・落ちて天下の秋を知る」というタイトルの正確な予測記事が「株式新聞」に掲載されていたという事だ。