輸大が小豆のあとを追う
S高連発の小豆の強弱はもう用なし。次は輸入大豆に火がつく。まず五千円目標。
小豆がS高で買えないから大豆を買う。
これはご正解である。
輸大相場はシカゴS高も十分可能性ありで、穀取は小豆の隣の輸大までストップ高ということになるだろう。
アメリカ穀倉地帯の大干ばつ。これは一九八〇年に襲来したヒート・ウエーブ(熱波)と同じだ。あの時は七面鳥まで暑さで死んだ。
穀取輸大の七月限のド天井(大阪四二二〇円)を掴んだ玉でも、これが利になる。だから少々高くなってもホイホイ利食いなどしてはいけない。
本当に腰が抜けるほどの速さで上げだすのは当限納会落ちてからあとだ。
七月はとりあえず五千円指呼の間に先限が買われるだろう。
大きな取り組みが鳴動して大地をゆるがす。
大量売り建の自己玉が小豆の二の舞いを見る。
玄人筋の人気は弱い。これも小豆と一緒である。
商社はシカゴを買って穀取を売るわけだが、シカゴが火を噴き穀取も燃えればヘッジ売りなど20万枚の取り組みは難なく消化する。
要するに怒濤のような人気買いである。大群衆がなだれを打って、そちらのほうに走りだせば、それは間違っていると制止しても、間違っていると言うほうが間違っていることになり、渦に巻かれる。それが人気相場の怖さだ。
さて、小豆はなにもいうことなし。きょうもS高、あすもS高では買うにも買えない。あとは利を伸ばすだけである。
お天気は七月中旬まで駄目らしい。夏型にならない。もう今の時点では、お天気が回復しても坊主になった畑に毛ははえん。
小豆はどこまで行きますか?と聞きにくるが、そんなこと判らない。凶作相場の過去を見ればよい。
●編集部註
慶大の小熊英二教授が書いた「グローバリゼーションの光と影」という評論文があり、三省堂の国語の教科書に掲載されている。今日日、昔と決定的に違うのは「テスト対策」としてネットに実際の授業での板書や解説、実際に問題が出題された場合どんな問題が出るか、模範解答は何か等々出回 っている事。先生達はさぞかし授業がし難かろう。
今回の記事で採り上げられている天候不順や相場の変動も、グローバル化を推進する人達にとっては大義名分となった。
これが「光」の部分だとすれば、「影」の部分を我々はエンロンやモンサントのような企業の不祥事で改めて知る事になる。
日本でも種子法が廃止された。元に戻すには時間がかかる。気付いた時にはもう遅く、「影」をこれから味わうのだろう。