昭和の風林史(昭和四七年十二月十四日掲載分)

大豆・手亡から 買い人気強い

下げるかと思えばフラフラと戻す。手のでにくいところ。週末の実収高発表まで待つのが賢明。

「喜びも悲しみもあり古暦 非文」

今日十四日義士祭、いよいよ日めくりの残りも薄くなってきた。

十二月に入ってこのところ、ずっと小春日和が続いていたが、昨日あたりからまた寒波が襲来して各地から雪便りもひんぴんである。

去年の年末は暖冬のため雪不足で、スキーヤーやスキー場を泣かせたが、今年はこの分ならタップリと雪も積もることだろう。

その反対に交通機関は豪雪のため思いがけない被害をうけるかもしれない。

世の中相対する両方共がよいということは滅多にない。相場も売り方、買い方ともに喜ぶということはありえない。だからこのところの一高一低は売り買い双方をイライラとさし続けているところである。

結局、明後日十六日の実収高発表まではどうにも動けない場面である。

十二日の寄り付きあたり完全に下放れの様相でついて売り乗せても大丈夫のように見えたが、後場になって大きく戻し、昨日も連騰した。
この背景には九千五百円あたりを下値とみる大衆買いが依然根強いこともあるが、たまたま中国大豆が四日間連続ストップ高をしていることや減収懸念の強い手亡が急反発したりしているのが多分に影響している。

手亡や輸入大豆と小豆とは別だというのは理窟であって、売ったり買ったりする人は同じだから、手亡や大豆が高いと小豆も買いたくなる。だからこの小豆の反発は大豆・手亡の蔭の相場ともいえよう。

産地からの情報では年内の積み出しは出回り予想数量の三八%にあたる六十万俵になるという。これは史上最高の積み出し量だ。
貨車ぐり難、調整難だといわれながら結構現物は出回っているのである。

強気はこれほどでても現物がたまらない以上消費が好調で大豊作でも来年では一万円地相場となると見るし、弱気はいままでは現物が枯れ切っていただけに、たまたま需要期と重なってハケただけで年明け後は現物がダブつくのは必至。必ずしもこの前の安値が御底とは思えないと見る。

そのいずれに軍配があがるか、それの目先のポイントは十六日の実収高発表となろう。

●編集部註
勝っていたらいたで、いつ利食いするのか悩む。

負けていたらいたで、いつやめるのかで悩む。
 
どっちにしても悩む事になる。見切り千両の次が無欲万両というのも、今ならうなずける。

【昭和四七年十二月十三日小豆五月限大阪九七六〇円・一三〇円高/東京九八五〇円・二二〇円高】