窓を埋めよう 当面逆張り方針
このあたりから上の値は売って妙味のある小豆相場だ。目先的には逆張りである。安値は買い。
「あかあかと日はつれなくもあきの秋 芭蕉」
日曜日、神戸穀取の開所20周年式典と祝賀パーティーは、快晴にめぐまれ神戸オリエンタルホテルで盛大に行なわれた。
そして中一日休日を置いてきょう11日は東京穀取が開所20周年のお祝い。
取引所首脳や業界関係者は新幹線で行ったり来たり、来たり行ったりで六日の大穀祝賀から、いささかパーティー疲れ。
相場のほうはどうか。
小豆は大きな窓をあけて九千円台に乗せたけれど、ここから上となると出盛り期だし15日からの広州交易会も注目しなければならぬ。
しかも小豆輸入のワクは五百万㌧ほど残っている。九千円以上の相場なら、再び売りヘッジされることであろう。
相場としては完全な大底打ちであることは万人認めるにやぶさかでない。が、九千円の場合、それが限月によって千円棒を立てたとはいえ、これを九千三百円→五百円と買っていくには、まだ相場が〝青い〟だけに、たえず急反落の危険がつきまとう。
確かに取り組み面では高値因果玉が整理されてしかも安値を、かなり売り込んでいた。だからこそ山梨の積極買いといえ、各市場ともS高出来るほどの急騰を演じた。
その限りでは八千五百円以下の小豆相場は、大底圏で、この圏内で売った玉は救われないだろう。しかし、その売り玉が踏み上げてくるという要因は見られない。
大豊作。出盛り期。輸入物の在庫豊富。交易会の友好的成約―。
高ければ売りあがればよいという気楽な相場だ。
九千円前後の相場つきを眺めて、これが頭重く、軟弱となれば、すかさず投機家は売ってこよう。
仮りに、この辺で値段が締まったとしても、九千五、七百円まで糸を長く繰り出して売っていけば、相場は俵の重味で疲れてくる。
高ければともかく売っていけばよいのだ。
安くなれば、もちろん、大底の入っている相場だから深追いせず、八千四、五百円あたりは利食い。あと安ければ買いさがり。
いずれにせよ当面は逆張りである。明けた窓を埋めてしまえばまた強気すればよい。
●編集部注
ここ連日パーティーの話題が出ている。
景気のよろしいことで。
恐らくこの文章を読んでいる二十代、三十代にはピンと来ないだろう。
なにしろ、今これを書いている四十代がピンと来ていないのだから。
【昭和四七年十月十日小豆三月限大阪八九九〇円・変わらず/東京九〇二〇円・一〇円安】