昭和の風林史(昭和四八年二月一日掲載分)

小豆もS高へ 騰勢に拍車かけ

小豆は一万五千円から七千円。手亡は一万一千四百円。これからが相場である。前進あるのみ。

「叱られて目をつぶる猫春隣 万太郎」

さて二月である。三日は節分、四日立春大吉。相場大暴騰。結局、小豆相場は一万三千五百円から一万五千円という〝天候相場の前夜祭〟が展開されよう。

天候相場までには、まだ日がある―などと言っておるようでは駄目だ。

この道は一本道。天候相場にそのままつながる道だ。

いや、すでにきょう七月限が登場する。この限月は天災期限月。

小豆六月限一万二千九百五十円の引け。ピーンと陽線を引っ張って一月の相場は終わった。新ポ、ふっ飛んで、この勢いはそのまま持続していこう。

言っておいた通り手亡が全限S高で一月の相場を終わった。

下げも早かったが、下げが早いだけに、整理も早い。ケイ線は定石通りのリズムと足取りで刻んでいた。

手亡の一万円相場は予想できる。

この相場は大きい。九千五、六百円抜けからが大きいと見ておくべきで、筆者のケイ線では一万一千四百円あたり(小豆ではない、手亡の相場だ)、あり得る環境である。

手亡の一万一千四百円。

小豆は、そうなれば一万五千円→七千円である。

中国は日本の要望で大豆を四万㌧急遽輸送するそうだが、船舶事情はいよいよ窮屈になる。すでに海上運賃は続騰している。そして小豆などの輸送が、いよいよ遅れる。

世界的豆類の暴騰は大豆に代表されている。そして今年も天候異変である。

玄ソバもカナダの凶作で暴騰している。上質米もすでに上昇しつつある。配合飼料も再値上げである。手亡、小豆、なんでもよいからクズ豆が飼料用に買われている。

そういう時に小豆の一万三千円が高いとか安いとか強弱をふりまわすのが、いかにナンセンスであるかが判ろう。

小豆は一万五、七千円と見て強気一貫。

もとより押し目もあろうが急落は買い場でしかない。

相場は、これから熱気充満で燃えるだろう。

株式から穀物、ゴムに。繊維から穀物、ゴムに。

豆だったら節分の豆でも買っておけ―ということである。

さあ行こう二月相場だ。

●編集部注
 「節分天井、節分底」というアノマリーがある。

 この手のアノマリーは半笑いで受けとめている相場参加者が多ければ多い程よく当る。逆に皆がこのアノマリーで動くと外れるから性質が悪い。

【昭和四八年一月三一日小豆六月限大阪一万二九五〇円・三三〇円高/東京一万三〇〇〇円・四九〇円高】