昭和の風林史(昭和四八年六月二十八日掲載分)

七千円台売り 新値抜けは無理

小豆、手亡とも各地さまざまな納会。今年も半分過ぎて、来月は二日新ポの荒れる月。

「白玉の艶を消したる砂糖かな 草城」

水準が高いだけに、その値動き幅も大きい。昔は小豆が千円動くと、ひと相場と言われたものだが、今の千円は単なるアヤに過ぎない。

七千円中心の上下千二、三百円。十一月元はそういう動きである。

大石の手が積極的に買うと、森の中がピタッと静かになってしまう感じがする。

日計り族の、ちょうちんもつくからストップ七百円高は、なんの感興も湧かずに涼しい顔で付いている。

産地の安納会を見ても消費地市場は無反応。名古屋は安く、東京は高い。
だからどうという市場でもない。

七千円中心に見ての逆張り。七千五百円から八千円にかけて売り上がる。

六千五百円→六千円割れは買い下がる。

生産者団体は、取引所相場が高いからと、農林省が小豆輸入の外割り繰り上げ発券をするなどもってのほかだと反対する。

在庫が豊富な時に輸入する必要がないという理論。

作付面積も一時言われた七万三千ヘクタールの予想が六万八千ヘクタールあたりに落ち着いたようだ。
作況は平年並み。

それでも相場は大手買い方が買いものを入れると言うことをきく。

相場と言うものは高いと買いたい。八千二百円どころの高値を抜いて、二万円相場も実現しそうに思えてくる。

しかし七千五百円から上の値には、かなりの買い玉がある。その買い玉が利食い出来るような相場なら、これは本物。新値抜けから買っても間に合うだろう。

六千円我を大衆は売った。どうしても安いと売りたい。本格的に下げていきそうに思える。

六千円割れを売った玉がアッという間に突き上げられた。

強気は、長期的、大勢的な判断で二万円以上を見ているし、弱気は二番天井を取りに行くところと見て、あくまでも弱い。

手亡のほうは名古屋の迂回は安かった。しかし市場は総じて強烈な強気が支配している。小豆でうまく行った人も概して手亡でガチャガチャになっている。手亡は〝むくろ〟のような感じがしてしようがない。

●編集部注
罫線にまた離島が出現。買い方の拠り所となる。

【昭和四八年六月二七日小豆十一月限一万七三四〇円・七〇〇円高/東京一万七三六〇円・五八〇円高】