昭和の風林史(昭和四六年七月六日掲載分)

基調下降期に当分戻り売りだ

二段上げ完了を確認、当面戻り売り方針となる。三段上げにはかなりの時間を要するだろう。

「人知れず暮るゝ軒端や釣葱 草城」

やや疲労気味(買い疲れ)の相場が産地の高温を見て崩れた。

天候の回復で、どの程度作柄が回復するかである。

ケイ線では先限の一万四千五百円あたりという見方が支配しているが、もっと悪いのではないか?。

線型は完全な戻り売り型になった。

目先一万五千三百三十円(大阪)の急所(6/17)を割り込むと、一万四千八百四十円まで真空状態で、なんの支えもない。五千三百三十円を割れば小反発するが、その反発は売りになる。

結局、線で申せば一万三千八百六十円~一万三千九百九十円どころ〔二段上げ幅の中心点〕を中勢としては取りに行く格好で、この中心点を割らずに途中で反発したりすればすべては戻り売りとなる。

それで、その中心点を割り込んだ(一万四千円割れ)あと、かなり強烈な反騰場面となる予測が立てられるが大勢的に最終目標値は一万三千百四十円。

これで二段上げ完了の相場となり、いよいよ第三段上げの大相場、すなわち一万七千円抜けのコースに向かう。

時間的にそれが、どのように組み合っていくか今予測できることは三段上げ完了は八月末から九月上旬の時点。逆算してくると八月中旬ごろから急ピッチの三段上げ相場に向かう。従って七月中、下旬、八月上旬と二段上げ完了の相場の〔戻り売り〕場面が続くのではないか。

なお基準として筆者は九千六百五十円→一万三千円〔三千三百五十円高〕を一段上げ。

一万一千五百二十円→一万六千三百六十円〔四千八百四十円高〕を二段上げと判断し測定した。

買い方は高値掴みになっているはずだ。

一般人気はナンピン買い押し目買い気となるだろう。

しかし、ここは戻り売り場面と判断する(高値の買い玉はぶん投げるべきか?という質問が最も多いと思うが、ぶん投げる必要なし=このことは後で書く)。

玉の操作は両建て型とし、戻り売り地点を売り建てていく。

ともかく筆者は大勢二段上げ完了と判断するもので三段上げには時間がかかる。当面戻り売り方針。

●編集部注
東京小豆相場は週明け5日大きく窓を開けて前日比560円安。これを見て風林のトーンが少し変わったようだ。前日の記事、「今週は突っ込むかもしれないが、叩き込めば反騰力が、ますます強くなる」と強気一辺倒。これは正解であったが、本日は大勢三段上げ変わらずも、目先戻り売り方針と転換。更に両建て推奨とは読者も困ろう。

風林基調がこの後どう変化するか、電光石火の切り替えが見ものとなる。
【昭和四六年七月五日小豆十二月限大阪五二〇円安/東京五六〇円安】