成り行き買い 上値に抵抗なし
叩き込み、斬り返し、この前週末の瞬間の出来事で相場はまた変わった。成り行き買いよし。
「鶏頭の穂先とびちる野分かな 八束」
台風23号の速度が時速15㌔。進路をどうとるかで小豆相場は大暴騰する。冷害の北海道に台風が襲来すれば、その被害は、はかりしれない。たとえまた北海道をそれたとしても、影響をもたらすだろうし、台風が抜け通ったあとの急速な冷えこみも、考えておかなければならない。
週明けは九月限が八千円台、十月限が七千円台に乗せた。
前週末の寄りの叩き込みを、すかさず切り返しての強い地合いを、23号台風がそのまま引き継いで吹き抜け型で、先二本の七千円相場は時間の問題となる。
見ていると、買ってはみるが誰彼なく利食いが早い。それだけ警戒心が強いのである。
逆に売ったら最後、すぐ引かされる。いかに相場の基調が強いかが判ろう。
ともかく、こうなったら、この相場、行くところまで行かなければ、おさまらない。
次に押してくるのは先二本が七千円抜けてからであろう。その押しで恐らく押し目は終わり。あとは上値付けほうだいの八千円吹き抜けということになるかもしれない。
新ポは二月限がどのような寄り付きかたをしようと、六日の在庫発表(五日は日曜・この日は満月)前後までは、冷え込みと降霜警戒で、非常に強い足取りの相場となるだろう。
また、秋の彼岸を控えて実需の動きも活発化する。作柄のほうは、すでに進みようがない。
これは大変な相場だ。
もはや強弱など不必要の段階である。
ただひたすら買う。上値目標なども考慮する必要はない。
買えば、必ず利食いが出来るのである。
26日の高値から28日の朝寄りの安値、この押し目幅(大阪五百六十円)が目先波動の基本値幅で、倍返し一月限七千百五十円。
そのあたりで軽く押すかどうかで、押そうと、押さなかろうと大勢に別条なく趨勢は六月21日の高値六千三百六十円に対して八月16日の安値四千七百円までの下げ幅千六百六十円という値が、いずれどこかで付くことであろう。
筆者はそう思う。
●編集部注
利食いは器量という。
得てして利食いは早く損切りは遅くなる。
ただ、利食いする側にも言い分はあろう。
この時の東京市場は、前月十日の一万四一一〇円から、同月二十二日の一万五七九〇円まで一本調子で一六八〇円上昇。
その後相場は八月十六日から一本調子。この文章が書かれた時、そこから既に一九五〇円上昇。
波動的に「もう」と見ても致し方ない場面だ。
【昭和四六年八月三十日小豆一月限大阪三七〇高/東京三九〇円高】