あわてない、あわてない。一休み、一休み。ポクポク、チーン。むかしテレビで一休さんがやっていた。
刻々と雉子歩むただ青の中 草田男。
昔から、春の季語によく雉子が使われる。
春の繁殖期になると、鋭い声で鳴く。
華麗ではあるものの、ホトトギスの如き〝はんなり〟さはなく、切なさを含んでいる気がする。
雉子が飛び立つ時は、鳴きながら垂直に舞い上がり、降りる時は鳴きやんで下降する。
雉子も鳴かずば撃たれまいというが、己の余計な行動、言動が、時に我が身を苦しめる。
それにしても、相場様の気まぐれには困ったものである。
下にいくと見せかけ、上に行く。上に行くと見せかけ、下に振る。
これも、みな水星逆行のせいにしておく。
期待しすぎると、期待は、はずれるから、あまり期待しないで、淡々と、相場に向うことができれば良いのだが。
特に、今時分の相場は、春霞のかかったような市場になる。
夏や、秋の相場は、霹靂。烈日。冬になると冬山、眠るが如しである。
相場は、生き物であるから、四季に寄せる人間社会の秩序に応じやすい。
春山は、笑う如しとは、実にうまい表現である。
山頭火は「山あれば山を観る。雨の日は雨を聴く」。
いまは、相場を仕掛けて、ひと財産つくろうという道程ではない。
そのような「時」も来るが、いまは、ゆっくり先を読んで、ゴールドならゴールドの安いところ仕込む。
あわてない、あわてない。