異次元世界の相場(日刊版4月17日付)

想像力という鍵でこの扉を開くと、そこは異次元の世界です。

そんな台詞で始まるドラマが昔あった。

飛花落花奈落の底といふところ  智。

その昔、それはガラと呼ばれた。暴落の事だ。

相場がガラガラと崩れていく様に、売り方が風情を見出したのか。

地獄巡りの真っ最中にある買い方の自嘲か。

今、この言葉を知る人も、使う人も少ない。

ドル円が崩れたので、全ての国内商品は暴落過程に入った。

ドル円は、100円待望論が消え去った。

日銀黒田総裁の異次元緩和が、相場を異次元へと向わせた。

金相場も、異次元の世界へと誘われる。

何の影響があったのか判らんが、何かを感じ取った。異次元の世界だから説明がつかない。

金の崩れが半端ではない。まさにガラと表現する情景に相応しい。

二年に亘り、大波を止めていた1500㌦の堤防が、円の大量放水により、堰を切って崩れだした。

濁流である。

十年以上に亘る金の安全神話も、原発の安全神話崩壊の如く崩れたか。

何よりも、日本国債の安全神話が崩壊しつつある。全ての市場が異次元の世界に足を踏み入れたのだから、理論も何もあったものではない。

ダウ平均も、大天井を打って暴落過程に入ろう。日経平均も、円高とNYダウの下げを食らうと、もうダメだ。

ダウ平均は一万ドル、日経平均も一万円割れへと向う。

為替は80円。東京金は3800円を割り込むと2000円台。

要するに、異次元の世界に入っているのだから、今後何が起こるかは判らん、といふこと。