経験則が邪魔をする(日刊版06月12日付)

何時までも、同じ手口が通用するわけではない。

何かと硬くなる頭を、努めて、柔らかくするべし。

利食いは早く、損切りは遅く。

相場で、損をする張り方といわれる。

逆に、損切りは早く、利食いは遅く伸ばすのが、大儲けする秘訣ともいわれている。

果たして、本当にそうなのだろうか。

相場が保合いに入った時、後者なら、さしずめ損切りばかりさせられる羽目に陥る。

逆に前者なら、利食いは勿論、引かされても損切りが遅いため、いずれ相場が戻ってきて、利食いも出来てしまう。

しかし、この手口が何時までも通用するわけがない。トレンドが発生したら終わりである。

出来の悪い子ほど可愛いという。玉も同じ。

損切りが遅れても「いずれ戻ってまた利食いできる」と思い込み、損切りできなくなる。そして最後に大きくやられる。

ならば、トレンド発生と同時に、直ちに損切りして、利を伸ばすやり方に転換すれば良い。などとのたまうなかれ。

トレンド発生を知る頃に、相場は、はるか彼方に行っている。まさに言うは易く、行なうは難し。

結局は、経験則が邪魔をする。過去の成功体験が染み付くと、果敢な判断が取れなくなる。

相場に法則性なし。つまりは頭を柔軟に、相場を見ろといふこと。

さて、今の国内相場は前者か、後者か。

前者かもしれない。

東京金は4500±250円、白金は4750±250円のレンジか。

ゴムは275±25円といったところ。レンジ下限に来ている。

5円のリスクをもって250円処を買い、10~15円抜けを狙いたい。