病は気からと言う。なにか食べないと体がもたない。チーズなどかじる。
一日会社を休むと、次の日も休みたくなるのは、怠惰の引きずり。体調がよろしくないとか、どうとかいう。
それではいかんと思い、会社に出てくるが、いかんものはいかん。どことなく微熱である。薬局で買った風邪薬を飲む。
食欲というものを失って、どれほどになるか。鉄砲持って、山で猪でも追いかければお腹もすくだろう。
火を熾(おこ)して、さばいた猪を串に刺し、みんなで囲む。
そこまではよい。後ろに虎が寄ってきている映画があった。
洟水が止まらない。風邪である。今日も会社を休もうかと思ったが、怠惰を引きずってはいけない。
ヘルパーさんが、ガスコンロの火にかけて作るすきやき鍋セットを買ってきた。豆腐と白葱を期待したが、そんなものは見当たらない。にんにくの二、三片を入れると、風邪など一発で飛んでしまうのだが。
老人は寝るに限る。電気毛布の目盛りを上げて、もぐり込む。枕元のラジオを相撲の放送にあわせる。
野球もサッカーも関心がないが、相撲だけは気にしている。誰を贔屓(ひいき)にしているわけではないが、放送の雰囲気が良い。太鼓がいい。
相場のほうのことはあまり考えない。
いまの総理では、期待するべきものはない。日本国民のすべてがそう思っている。
選挙だそうだ。寒いときだから、選挙に行こうか悩む。行っても、行かなくても、世の中がすぐにひっくり返るようなことはない。