阿呆になりきれるか

たわけになりて米を買うべし、と喝破したのは、本間宗久翁である。相場はたわけになる時間か。

冬満月狸ばやしは地底より 朱千。

昔話では、狸は人を化かす役。

狸は男に、狐は女に化けて人を騙すことが多いような気がする。

今は亡き、古今亭志ん朝は、落語とは何かと問われると「狸や狐が出てきて、人を化かす話」と答えたという。

俗に言われるのは満月天井、満月底。天底はどちらでもよろしい。

兎角、月の満ち欠けは相場の節目となる事が少なくない。

満月を過ぎ、相場は乱高下期に突入した。

ドル円相場も、日経平均株価も高い。

ここで振り落しが入る、と見るのは大概が玄人筋である。

一般大衆は、お祭り騒ぎであろう。今買わずして、何時買うのかと。

週刊誌も、安部バブル、アベノミクスと囃したてる。

日経平均株価は、2万円超えなのだとか。

ここで阿呆になって買いまくるか。

それとも、半身に構えながら、慎重に行くか。

慎重に行き過ぎると儲けは少ない。

少ない儲けで満足できれば良いのだが、人間の欲は限りない。

こういった相場環境では、踊らされた大衆は大儲けできる。

しかし、行き過ぎて、あっという間に全てを失うのも大衆である。

相場は時間だ。

日本経済は、長期に亘って低迷していた。

底を打った相場は天井を打つまで上がる。

となれば、まだ始まったばかりか。

当分は、阿呆になって買いまくる時代が来たのかもしれない。