食卓は鴨に猪か

琵琶湖の鴨も、丹波篠山を駆けめぐっていた猪も、これからのシーズンである。

居酒屋や愛想に植えし唐辛子 一茶。

味覚の秋と申しますと、松茸でしょうか。
からすみも、火鉢の火で軽く炙って、醤油をかける。これだと御飯がすすむ。
とろろも、食がすすみます。
とろろを、卸金で擂り卸して、醤油をかける。それだけでよい。
出汁をつくっておいて、擂り鉢に卸したとろろを入れ、少しづつ出汁を注ぎ、擂粉木でまぜる。
手間はかかるが、おいしいものが出来る。
御飯のおかずなら、目刺であろうか。
目刺も、上等なものは高くなっているそうだ。
寒くなると牡蠣である。昔は、大川や横堀など、橋のたもとの石段を降りたところに船がかりして、料理はすべて牡蠣づくめだった。
牡蠣は生で大根卸と酢がよろしい。のどをつるんと通りすぎてゆく。
牡蠣フライなどにしないのがよい。
牡蠣御飯もおいしいですね。湯豆腐に牡蠣を放り込んで、酢醤油につけて食べる。
色々考える。誰でも考える。同じだろう。
白葱をぶつ切りにした味噌汁を、根深汁という。男やもめ、三日も続く根深汁。
ヘルパーさんが作ってくれた薩摩汁はおいしかった。葱に里芋、厚揚げ。
相場のほうは、相場に任せて、こちらは味覚の秋を楽しもう。野山を駆けていた猪も、百貨店の地下では待っている。
猪のすき焼き。葱を沢山入れて、やっぱりおまえはおいしいな。
琵琶湖の鴨もいいが、猪の鍋もまたよろしい。