相場朧に霞むよし(日刊版3月29日付)

「春日」には“春の一日”と“春の太陽”という、2つの意味がある。そして、春の夜は「朧」である。

日をつつむ雲のいで来し春日かな  万太郎。

ほんの一週前は、桜が咲いていました。

今は道行く人たちが、また外套を羽織る、文字通りの冴え返りです。

気温の急な変化で、お身体などは崩されておられませんか。

これから、また暖かくなっていきます。

ぼんやりと春は、おぼろで、霞む月明かり。

相場様も、足元がはっきりせず、千鳥足。

出直るまでは、あくせくしないで、力を貯めておくこと。

為替が、緩やかな円高基調。それゆえ、国内商品もパッとしない。

NYでは、原油が噴いている。

東京ガソリンは三月の二点底から出直り基調。

八万円に乗せれば、勢いがつこうというもの。

同じ足取りで、白金が4750円で足場を固めて、さあ、駆け上がろうかと言うところ。

ゴムが275円前後で、かれこれ半月、横に長くたなびきたる。春は曙、枕草子の世界。

レンジが狭まり、さてどちらに抜けようか。

至極簡単な話で、抜けた方につけば良い。

だが、既にポジションは上伸を期待しての買い下がりが多いか。

上抜け追撃買い、下抜けは損切りドテン売り、といきたいところ。

だが、一般投資家は、なかなか損切りドテンができないもの。

ドテンして売ったところが底だった、となれば目も当てられない。

損切りドテンは福の神というが、運が悪いと、往復ビンタを食らう。

何事も、一朝一夕には行かぬ。