『恐怖に自分を明け渡してはならない』錬金術師は奇妙なほど優しい声で言った。
『もしそうすれば、君は自分のハートと話すことが出来なくなるだろう…… 夢の実現を不可能にするたった一つのこと、それは失敗を怖れることだ』
『これを僕たちは愛と呼ぶんだ…』少年は自分の願いに風が応えようとしているのを見ながらそう言った。
『愛されている時、君はどんなことでも創り上げていける。愛されている時、何が起きているか解る必要なんて全然無いんだ。だって全部自分の中で起きてることだからさ…』
— パウロ・コエーリョ著『アルケミスト — 夢を旅した少年』より
金融市場は怖れと貪欲に支配されていると言われてきた。ファイナンシャル・アストロロジーにおいては、怖れは土星の支配下にあり、貪欲は木星の支配下だ。これらが支配する星座宮もまたこうした感情の原理に相互関連しており、それは私達の太陽系における5大外惑星が在泊する時には特に顕著に現れる。
したがって、山羊座(土星に支配される)と射手座・魚座の両星座宮(支配星と副支配星が木星)もまた、それぞれ順に怖れ、そして貪欲という感情的力学に関連している。
今日の世界には怖れが蔓延している。戦争、テロリズム、大量殺人へと導く個人の狂気や異常精神、そして財政的損害の恐怖などだ。マンデーン・アストロロジーにおいては、これを多くのアストロロジー上の要因と関係付けることが出来るが、中でも最も注目すべきは山羊座の冥王星に対してワクシングスクエアという困難なアスペクト(初回1/4局面)を形成する、牡羊座の天王星だろう。
先月、私達はコネチカット州サンディフック小学校の子供達に対する大量殺人の悲劇を目の当たりにした。そして、米国の政治指導者達による、恐ろしい財政の崖転落を避けるための必死の試みという苦しみの光景を目撃した。