3月04日付 メリマンコラム 《回顧と展望》 その1

トリックスターは先週、観客の心をグッとつかんだ!

水星逆行 — その位相を愛さずにはいられない。彼は決してはずさない。驚かせ、失望させ、挑発し、啓蒙し、あるいは皆が期待するような進路を逸らせる。

彼の統治下で、もし何かが“確実” とみえるなら、間違いなくそれは起こらないだろう。よしんば起きたとしても、まず当初の状態はそう長く続かないと思っていい。実際、水星逆行下でただ一つ確信出来ることといえば、通常より大きな不確実性や誤解の存在、そして終わってしまった出来事や完成したはずの物事を取り消したりやり直したりする必要性なのだ。

だから、彼が人々にもたらす啓蒙=悟りの境地とは、シンプルなものだ。すなわち:何も計画通りに運ぶと思ってはならず、むしろフレキシブルな態勢をとり、他の現実に対して、さらにはあなたが想像もつかないくらい全く異なる摂理が存在する他の宇宙に対してさえも、その心を開いておくことだ。

言い換えるなら:
『想像力を駆使しなさい。だが、けっして “あり得そうな” 結果に引っかかってはならない』

例えば、先週のダウ工業平均は、メジャーな金融ネットワークがこぞって史上最高値を見込み、見張っていたにもかかわらず、それが起きることはなかった。歳出自動削減問題は結局解決されず、それでも世界は終わることなく株式市場も暴落することはなかった。解決しなければ耐えがたい痛みへと導かれるだろうという政府指導者達の鬼気迫る警告にもかかわらず、だ。

事実、NYダウを例に米国株式を見れば、先週は2月28日(木曜日)に14,149をつけて5年ぶりの高値を更新。これは07年10月11日の史上最高値14,198まで、あとわずか50ポイントと迫る値だ。一方、S&Pとナスダックは、2月20日につけた高値を更新。非常に多くのアナリストやコメンテーター達が史上新高値を予想していたのだが、それに反して週の最終日は失望で幕を閉じた。