2014.09.16

9月15日付 メリマンコラム  《回顧と展望》 その1

天上の生々流転がまたも我らの頭上にやって来る。

今週は2種の重要なイングレス(惑星入居)が終わり ー そして始まる。火星が蠍座を離れて射手座入りし、ヘリオセントリックの水星が射手座の旅を終え、新たな山羊座の行程を開始するのだ。これらの事象はどちらも直近において、過去40年にわたる歴史的事例の研究から見て実に70%以上の確率となる貴金属の強力な上昇には結びつかなかった。今回起きた相互関連性の欠如は、ファイナンシャル・アストロロジーにおいて、単に量的または統計的な見方ではなく、質的な観点から理解することの重要性を示唆している。

蠍座の火星は世界という舞台において、惑星と星座宮の両方が持つ力学という意味合いからは、まさに誰もが予想したであろう通りにふるまった。つまり、過去6週間にわたって世界は斬首や復讐の誓いといった凄惨でむごたらしい事象の羅列だったのだ。再生したテロリスト活動に対する世界的緊張と混乱は増大し、蠍座の火星が彩る6週間は心地良いものではなかった。NBC/ウォールストリートジャーナルが9月9日に発表した最近の世論調査によれば、“米国が以前より安全ではないと信じる米国人は2001年9月11日に起きたテロ事件以来の最高ポイントをマーク” したという。

そんなわけで、私達がISIS(日本では現在「イスラム国」と呼ばれている)との新たな闘いを始めるにあたり、世界は以前より安全ではなくテロリズム/戦争の危機はいや増している。これらは、過去に蠍座を運行する火星が金価格の急騰の鍵となった時の要因によく似ている。だが今回はそうならなかった。何故か? おそらくその理由は、ドルが再び通貨の王座に就き、前の週にECBが彼ら独自の量的緩和策をスタートさせてユーロが急落したからだろう。今後1〜2年の内にユーロが米ドルと等価になるまで下落するというのは今やあり得ることだ。そして先週述べたように “米ドルが他の通貨に対して騰がる時は商品先物が下落するというのも事実だ。したがって貴金属や食品関連もまた先週は急落した”。先週も貴金属と穀物は両方共に下落し続け、数ヶ月ぶりの安値を更新した。