市場は望んでいたものを手に入れた。
政治家もまた、9月6日のECB発表という形で望んでいたものを手に入れた。
それはユーロ圏諸国の借り入れコストを軽減するために、当該国の国債を確実に買い入れるという内容だった。
この発表を受けて世界の株式市場は急騰。多くの市場がそれぞれ何年かぶりの新高値をつけた。
だが猛烈な反騰は株式のみには留まらなかった。
金や銀のような商品の多くが爆発的な騰勢をみせ、その一方でドル指数は急落。今年5月以来の安値水準である80ポイントまで値を落とした。
アジアでは、全ての株式市場で精彩を欠いていた。上海総合(中国)は9月6日(木曜日)に2009年2月以来の安値水準まで落ち込んだ。だが金曜には5%近く上昇した。
ハンセン指数(香港)もまた9月6日に月初来安値を更新後、翌日には4%以上急騰している。反騰はそれほど力強いものではなかったものの、日本、インド、そしてオーストラリアでも似たような状況だった。
しかし、8月終盤につけた高値を超えた市場はこれらの内ひとつも無かった。