09月10日付 メリマンコラム 《回顧と展望》 その2
私は覚えている。あの時、当レポートの会員(ワシントンの“内部”にいる人物)から私に「それはまさにまもなく発表される決定事項ですよ」という電話があったのは2カ月前の事。彼の言うところによると、この決定がQE3により大統領選に向けて、株式市場を一段高(goose up)に向かわせるとの事。
更に“彼ら”はこの決定によって、(株価の上昇に伴って)金や銀が
急騰するような事になっても構わないと見ていたようだ。
(金や銀の上昇は)問題ないと。選挙戦が進んでいくにつれ、人々が
景気良く感じられるよう株式が上昇していくよう、彼らは望んでいたとい
うのだ。
ただ、これは奇妙な話だ。新たに打ち出された金融緩和措置を受け
て、Tボンド(米国30年債)及びTノート(米国10年債)は急激な反発(利
回りは急落)しなかった。
緩和策がもたらす効果は予想に反して、米国債は急落(利回りは上昇)
これはFRBの始原図(1913年12月23日設立)の海王星と現在運行中の
土星とのスクエア(90度)した時間帯と合致する。
(米国債価格の下落)はなぜ起こったのか?
その理由として挙げられるのは恐らく米国債トレーダーが、将来的に高
いインフレに(米国が)見舞われるという事を薄々感づいているからだろう。
加えてその高インフレに伴ってストライキが起こった時、トレーダーや投
資家は一様に、米国債に高い利回りを要求するであろうという事にも、薄々
気づいているのではないか。
ただ先週末発表された8月の消費者物価指数(CPI)の数字が前月比0.6
%増加した事はどうか気になさらないで戴きたい。
結局のところ、食品とエネルギーの数値を除いたコア指数は前月比0.1%
上がったに過ぎないのだから。この指標から見て、インフレは間違いなくコン
トロール下にあると言える。