2013.03.09

3月04日付 メリマンコラム 《長期見通し》 その2
次に、ウォーターゲート事件として知られる約30年前の住居侵入窃盗問題をスクープした記者でもあり、尊敬を集めているジャーナリスト、ボブ・ウッドワードにまつわる話が持ち上がった。金曜のウォールストリートジャーナル(それに先週終盤に流されたおびただしい数のTVトーク・ショウ)によれば、

『歳出自動削減は2011年にオバマ氏が考え付いたもので、しかも当時の条項には増税など含まれていなかったと報じたことがウッドワード氏の罪科だった』。

これはどういうことかと言うと、ウッドワードは『The Price of Politics』と題する本を上梓した際、同書の中で彼は、米国を信用格付の引下げへと導き、また現在進行中の歳出自動削減というアイデアにも導いた2011年夏の債務危機をめぐる話し合いが、いかにして正道を踏み外していったかについての詳細を、まさに徹底的に調べ上げた結果として報じている。そしてこの本を書いたことによって、ウッドワード氏はホワイトハウスの国家経済会議委員長ジーン・スパーリングから緊迫した調子の電話を受けた。彼はウッドワードに

『自分の言葉を後悔することになるだろう』

と告げたという。ところがこのことが口コミで広まるにつれ、多くの政治ブログでこれが「脅し」として取り上げられた。ホワイトハウスの一団は、突如として残忍な殺し屋集団のように見え始めた。

けれどもこれは、まるで水星逆行がもたらす不一致に一致するかのような話だった。スパーリングが実際に言った言葉は次のようなものだった。

『君は信じないだろうが、ここは友人として言おう。あのような申し立てを主張すると後悔するだろうと思うんだが。』

結局のところ、これはそれほどトゲトゲしい言葉でもない。しかしながら、どうも他の記者達が押しかけて、他にもホワイトハウスで過去に起きた出来事はないかと厳しい質問を浴びせたのだろう。こうした記者達各自の試みを通じて似たような趣きの個人的出来事が報じられたことから、大統領のイメージへの損傷は紛れもないものとなった。