3月04日付 メリマンコラム 《長期見通し》 その3
だが、たとえ先週が大統領にとってまたもやキツイ週となり、彼のイメージがもう一段下落したのだとしても、それでもなお、まもなく彼と彼のチームにとって、世論の支持を大きく勝ち取るための別の機会が再度巡ってくるだろう。
『フォーキャスト2013』の中で長きにわたって述べたように、2013年7月中旬に起きる木星・土星・海王星間のグランドトラインは、誰もが望むグランド・バーゲン(包括的財政再建合意)のための取引をまとめる希少な機会を提示するはずだ。また同時に冥王星も絡んで、いわゆるカイト・パターンが成立するため、この時に主要な税制改正が行われる可能性がある。もしそれが上手くいけば、米国はこの、過去10年にわたって国を衰弱させる一方だった債務問題を逆転させることが出来る。そればかりではない。以前述べたように、私はこの春の米国の税収が記録的水準に達するだろうと考えている。これもまた、現状の累積債務という軌道を修正し、落ち着かせるための助けとなるだろう。
歳出自動削減は先週始まったかもしれないが、それ自体は政治家達が喧伝するような恐ろしい大惨事ではない。考えてもみて欲しい、削減されるのは年間支出のたった2.4%だ。ところが、その支出自体がもうすでに過去4年間の歳入を1兆ドル以上も上回っているのだ。基準となる予算を持たなければ、当然起きることがこれだ。
だが、先週自動削減問題を解決出来なかったことは、ワシントンをあまりにも長期にわたって悩ませてきたこの法外な赤字問題を真に修正・改善し得るグランド・バーゲンを成立させるための、心理的刺激となるのではないかと私は考えている。世界中の誰もが、次から次へと起きる財政危機に疲れ果て、うんざりさせられてきた。指導者達は今こそ自分自身を取り戻し、真のリーダーシップを見せる機会だ。
彼らがこの夏、こうした歴史的決断のためには殆ど完璧ともいえる惑星配列が生じる時までに、合意、すなわち “グランド・バーゲン” に達するようにと願おうではないか。今、共和党とオバマの双方に分かち合われたマントラ(呪文)を引用しよう。
『ワシントンは次世代のことではなく、次の選挙戦のことで頭がいっぱいになっている。そんな強迫観念は克服しなければならない。』
言葉は重要だ。同じく、数字もまた重要なのだ。