6月10日付 メリマンコラム 《回顧と展望》 その1
先週は終盤にかけて、世界中の多くの株式市場で今年一番の急激な下落に見舞われた。そしてその後、金曜(7日)朝に5月の米雇用統計が発表。そして何もかもが変わった。なんとそれまで弱気であった(株式)相場は強気に転換。一方、強気であった(貴金属)相場は弱気に転換した。
また先週は、6月6日(日本時間7日朝)に起きた海王星の静止状態から逆行へと至る典型例とも言えた。投資家やトレーダー達は、欧州ならびに米国の中央銀行が何を考え、目先何をしようとしているのかがわからず混乱した。彼らは金利が再度上昇し始めるだろうとは考えた。何故ならFRBが量的緩和策(中毒)から抜け出そうとしていたからである。結局、中央銀行が方策転換しつつあるという、先週流布した大方の推論に反し、彼らは何もしなかった。全てが酷い誤解だったのだ。何も変わらなかった。これは指導者達が、どのみちやらねばならないことに関して何をするべきか、またはどうやって為したらよいかの確信が持てない時によく起きることだ。
株式と貴金属市場に発生した下落と反転はといえば…大きかった。例えば日経平均株価。3回目の天王星・冥王星スクエア形成(5月20日)の直後にあたる5月23日、相場は15,942をつけていた。これは5年ぶりの高値である。そしてたった2週間後の6月7日(金曜)には12,548と、なんと21%も下落したのだ!米国では5月22日にダウ工業平均が15,542で天井をつけている。そうだ、日経は事実上、このところの長い年月で初めてダウより高値をつけたのだ。だが6月6日(木)までにダウ平均は14,844まで急落。折しも海王星が逆行に転じたこともあって、誰もが少しパニックに陥った。結局ダウは15,248で週の取引を終え、今度は突如として誰もが舞い上がった。