7月15日付 メリマンコラム 《回顧と展望》
まさにビックニュースが先週飛び込んできた。これは前週のコラムでも書いている。また、先週は次の通り述べた「もし皆さんがテレビに出て来る市場コメンテーターに耳を傾けるなら、彼らはこの結果を受けて9月または10月までにFRBが量的緩和策(QE)を終えるか、または徐々に縮小する事を意味している、と告げるだろう。これは明らかに(彼らにとっては)金利が上がることを意味するし、そんな時に金や銀のような無利息投資手段を維持したいと思う者はまず居ない。だが考えてもみてほしい。…水星逆行の効力が切れると、この問題についての投資家心理は劇的に変わる可能性がある。特に、もしバーナンキが重ねてFRBの金融緩和的方針に変化なしと主張するなら(あるいは主張していたら)尚更である。FRBの月例国債買い取り額を一時的に縮小する事を彼が決断する事はあるかもしれない。だが、彼がこの時期、いや議長としての任期を終えるまでは、完全終了という可能性は低い。また彼はゼロまたはゼロに近い短期金利政策を終わらせようともしていない。もし金利が上昇すれば株価が下がることを彼は知っているのだ。彼はその政策によって株式市場を暴落へと導いたFRB議長として退任するつもりはない。たとえ真実のところはFRBの政策によって株式市場が暴落するのではなく、政府の財政政策の賜物であったとしても、だ。…もう1つの注目点としては、火星が7月13日に蟹座入りする事。これはFRBの設立図(1913年12月23日設立)と関連するジオコスミック要因だ。FRBから何か予想外のニュースが聞こえてきたとしても驚かないことだ。これはしばしば国債市場にトレンド反転をもたらす」。
7月10日(水曜日)の場が引けて後、バーナンキFRB議長は、数週間前、量的緩和策(QE)が終了すると共に金利が上昇して行くシグナルとして投資家を誤解させたコメントから一点、FRBによる金融緩和政策の再確認に言及した。今となっては―依然水星逆行期間の渦中にあって―、例え失業率が今後6.5%に低下したとしても、彼は短期金利も上げさせないし、QEも完全停止させないという事を(即ち、まさに水星逆行の持つ矛盾性を)非常に明確化させた。そして彼のコメントが飛び出した水曜(10日)の夜になるとすぐさま、世界中の株式、国債、そして貴金属市場は急上昇している。米国債に至っては、火星の蟹座へのサインチェンジ(7月13日)まで、あと3日を切ったところで出現した、この“FRBから何か予想外のニュース”により、これまで延べ4週間にわたる大きな下降トレンドから反転したのであった。