7月29日付 メリマンコラム 《長期見通し》 その2
要は何が言いたいのか。グランドトラインは終わった、サマー・オブ・ラブ(先週のコラム参照)も終わったという事だ。野放図な負債の増大に対する、緊縮策と成長戦略を含む聡明なアプローチも、また終わりを告げた。世界の国々(ドイツを除く)は、バランスの取れた経済政策への道としての緊縮策を完全に断念することに合意し、負債から抜け出すために、ただ ” 自らを成長させる ” という策を支持した。そう、その通りだ。世界は今や、『成長』に焦点を絞ろうとしているのだ。もう削れるものは全て削ったのだから。・・・ちょっとよろしいでしょうか。それは2007年~2009年の経済破綻へと導いたやり方と、いったい何処がどう違うと仰るのですか?
そう、何も違いはしないのだ。今日の社会・政治・経済世界において、ヘビー級の王座を争うものの一つがこの木星・天王星・冥王星という、負債-破裂-拒絶のトリオであるという理由がこれだ。私達は、いや世界は、今再び自分自身を消費することで負債を抜け出し、繁栄へと至る道を確信しようとしている。それは確実に… 選挙には勝つが、人々を失望させる財政政策だ。表面上はその全てが中流階層の福利のためとなっている。しかし、こういったカーディナルT字スクエアの下で過去にみられた同種の政府発表の結果はといえば、全くの正反対だった。
前回、木星・天王星・冥王星がT字スクエアを形成した時に起きたことを振り返るために、前の事例に立ち戻ってみるといい。それは1930年代初頭のことだ。当時の私達もまた、今日推進されているのと同じ政府主導の政策に投資して、自分自身を消費することで負債を抜け出し、繁栄へと至ろうとしていたのだ。その道は私達が不況から抜け出るための世界大戦へと繋がっていった。
そんな訳で、私達は今週、イスラエルとその近隣国間での中東和平交渉が再開されるだろうことを知り、また米国においては、議会とホワイトハウスが9月に再び期限を迎える連邦債務の法的上限を控え、論争の土壇場に向かっていることを理解している。一方はより厳しい緊縮策を、そしてもう一方はより多くの支出をひたすら望んでいる。誰一人として後へ引こうとはしない。
先週、私はこれから訪れる期間を “狂気” と表現した。今もまだその最中であり、今後はもっと正気を失っていくだろう。世界平和かそれとも世界破綻か? 皆さんのお近くの劇場にそんな演し物がやって来ようとしている。開演はもう間もなくだ。タイトルは『 グランドトラインの降伏、カーディナルスクエアの勝利 』か。さもなければ、『 象とロバの邂逅 』でもいい。
もし彼らがちょっとでも妥協し歩み寄れたなら… そうすればきっと私達は… いや、忘れよう。月はまだ週の半ばまで双子座には入らないのだから。
では、続きはまたの”再開”まで。