2月10日付 メリマンコラム 《回顧と展望》 その1
時折、ジオコズミック・サインと金融市場が見せる相互の対称性が尋常の範疇をあまりに超えていて、ファイナンシャル・アストロロジャーでさえも畏怖の念を感じることがある。金星の逆行と共に展開した先週の ー そして過去6週間さえ含む ー 世界の株式市場がそんな一例であった。
では、少し前の懐かしい思い出を辿ってみることにしよう(いや、何故こう言うかといえば、山羊座の冥王星と蠍座の土星は両方とも “過去に犯した誤り” を象徴しており、その結末によって私達が現在苦しむことになるか、もしくは、そこから学び取って未来に向けての建設的な修正を行うか、という挑戦だからだ )。去る2013年末、株式市場は世界中で25+%騰がった。そして誰もが多幸症の波に乗り、2014年も殆ど同様に(より良いとは言わないまでも)好調だろうと考えていた。多くの株式市場は、例えば米国、ドイツ、インド、そしてアルゼンチンにおいてさえ、史上新高値を記録した。オランダのAEXやチューリヒのSMIなどは数年ぶりの新高値をつけ、ロンドンのFTSEは5月22日につけた史上最高値を試していた(未だに超えていないが)。巷では世界の経済回復は確固たる歩調で回復中だと囁かれ、そういった現実を株式市場も確かに反映していた。
ところがその後、投資家達が大晦日のパーティから帰途についた頃、奇妙なことが起こった。
反騰は止まった。これは12月21日土曜に金星が逆行に転じた時間に非常に近かった。それから5取引日の内に、ちょうど太陽も木星・天王星・冥王星の強力なT字スクエア構成に参加したのと時を同じくして、殆どの株式市場が、木星の色濃かった多幸症的な祝祭を終えた。そして2週間の内に、BGMは“Happy Days are Here Again” から “The Dark Side of the Moon” に変わったのだ。
いったい何が起きたというのだろう? そうだ、金星が逆行に転じたのだ。それはその時点まで強気トレンドであった多くの市場にリバーサルが起きやすいことを意味していた。株式市場は強い上昇トレンドの中にあった。これらが反転し下がり始めた。ヨーロッパの市場はが下げに転じるにはもう2週間ほどかかったが、徐々に全体が同調し、速いテンポのダンス・ステップを踏みながら坂を下り始めたのだ。太陽が冥王星と重なってカーディナルT字スクエアに点火した時、正規のパーティ・タイムはお開きの時刻だったが、ワイルドで頑固なヨーロッパ人達は酒の最後の一滴を呑み干すまでそこを立ち去りたがらなかった。そして酒樽が空になった時、激しい下落が起きた… それは他の地域より激しいくらいだった。何故なら彼らの性として良く知られるように、他の誰よりも長い間パーティを続けていたからだ。
こうして下げ、下げ、下げの連続波が世界の株式市場を襲い、これぞまさに怖れていた大物 “The Big One” ではないかという懸念が世界中で上げ、上げ、上げと水位を上昇させた。但し、それは違っていた。少なくとも、まだだ。
株式がトップアウトして金星逆行開始から約5取引日の内に急降下したのと同じように、1月31日の金星順行開始から3取引日の内に、市場は世界滅亡の日に向かうがごとき急落を止めた。金星の逆行運動が持つ、トレンド転換の美しい対称性が再び働いたのだ。世界の殆どの株式市場が先週月曜〜水曜(2月3日〜5日)にボトムをつけ、情熱的な反騰を開始した。