2月10日付 メリマンコラム 《長期見通し》 その1
“私の論点は(反ユダヤ主義より)もっと広範な部分にある。すなわち、階級間に存在する妬みの感情を焚き付けるやり方は、すでにお馴染みの、危険で非常に扇動的なプロセスの第一歩だ。どんなイデオロギーや運動も、それが右寄りだろうと左寄りだろうと、政治においては協調よりもむしろ否定的な対決姿勢をもって組織化された集団が伝統的に優位性を保つ。彼らが表明するするところの、毒に汚された国体=人々を浄化するというゴールのためなら一切の力を惜しまないような、抑えがたいエネルギーを掻き立てるのだ。”
― ルース・ワイス ハーバード大学 イディッシュ語及び比較文学教授
“1パーセントとの戦い―そのダークサイド” ウォールストリートジャーナル 2月4日付けより
階級間の妬み、闘争、収入格差または社会的不公平….人がこれを何と呼ぼうと、それは黄道12宮における乙女座ー天秤座ー蠍座の領域を運行していく土星に関連している(2007年9月?2015年9月)。この部分は黄道の中間部で、正義、公正、バランス、そして平等性の原理が、社会政治的な問題として、頂点に達する領域だ。何故なら天秤座は正義の秤をその象徴とし、土星は最終(説明)責任を意味するからだ。土星が蠍座を運行し、天王星が33カ月にわたる冥王星へのスクエア形成(2012年6月~2015年3月)のちょうど中間部に入った現在、このエネルギーは今、一番明白に示現している可能性がある。冥王星は蠍座の支配星であり、したがって、蠍座の土星に自らの性質を帯びさせる(dispose)。同時に蠍座の土星は、自らが支配する山羊座に在泊中の冥王星に土星的な質を帯びさせる。
このコンビネーションは、土星と冥王星が現在互いの支配宮に在ることから、 “ミューチュアルレセプション” として知られる関係にある。ただ、このアストロロジー上の専門用語で皆さんが混乱しないように、今回は特にこれがたった今述べたばかりの社会正義、公正さ、平等の問題を生じさせていると言えば十分だろう。厄介なのは、こうした諸問題が人々を “分裂” させ、社会を階級闘争と妬みが支配する状況へと導く時だ。ルース・ワイスが述べているように、“…どんなイデオロギーや運動も、それが右寄りだろうと左寄りだろうと、政治においては協調よりもむしろ否定的な対決姿勢をもって組織化された集団が伝統的に優位性を保つ”。 こうした背景の下で私達は、この強力な天王星・冥王星間アスペクトのもう一つ別の顕れを体験するのだが、この時、同時にトランシットの土星もまた同様の社会原理を際立たせる黄道上の重要な領域を運行しているのだ。
過去30年間というもの、トップの1%と下方の50%に見られる収入格差が、殆ど腹立たしいまでに拡大してきていることへの議論は聞かれない。この格差は、ここ5年でもっと拡がりさえした。何故なのか? そして、こうしたトレンドを逆転させるために何が出来るのか? これに介入し、是正することは政府の役割か? そして、もしそうなら、その最善の手段とは、トップの1%に牙を剥くよう大衆をけしかけることなのか?