2014.03.14

3月10日付 メリマンコラム 《長期見通し》その2

 つまり「力は正義なり」という、粗野で原始的で自分本位な欲望としての二元性の発露となる場合もあれば、そういった原始的な行動様式や暴力と強制力が世界から厳しく非難されるような、非常に近代的で進歩的な思考となる場合もあるのだ。同時に山羊座の冥王星が働くことで、これに古きものと新しきものの典型的な闘争という一面が加わる。またこれは、圧政を敷く政府の「権力掌握」と、人々の表現を抑圧する指導者達に反旗を翻す大衆が発する、自由の叫びの衝突でもある。

 言葉を換えれば、私達は非常に危険な時代を生きているのであり、そこではこうした革命的で抑圧された衝動の爆発が拡大していく。このような宇宙的気象の下では、戦争の可能性は常に存在するのだ。

 惑星が逆行に転じる時は、特に逆行の初期段階において、その惑星が持つ原理が強調される。火星は3月1日〜5月20日、約80日間逆行する。アストロロジーの研究では、「セカンダリー・プログレッション」と呼ばれる技法があるが、これは「人生の一日」を「人生の一年」と見なして取り扱う。したがって、プログレッションで火星が逆行に転じた時は、火星の原理が向こう80年ほど後退し始める。

 米国の始原図では、プログレッションで2008年から火星が逆行に転じた。米国が世界における軍事的優位性から身を引き始めたのはこの頃だ。米国の政権は、軍事超大国から、より外交超大国化に向けて徐々に移行しており、世界平和を生み出す道を探し求めている。そして、米国のプログレスの太陽もまた、魚座という平和への希求を支配する星座宮に入っていることから、こうした動きは少なくとも今後20年は続きそうだ。

 この火星逆行が米国に与える最大の試練は、プログレスの火星逆行期における最初の1/6局面(2022年まで)の間に起きるだろう。

 トランシットの火星逆行にまつわるもう一つの注目事項は、その時期に戦争や軍事行動をとる者は誰であれ、敗者になるという点だ。現在、どんな戦争を始める事も米国にとっての義務ではない。現在、どんな軍事衝突の開始もロシアにとっての義務ではない。だが、あきらかにロシアはそうした行動を取っており、これは最終的に彼らがこの戦いに負けるであろうことを暗示している。