3月31日付 メリマンコラム 《回顧と展望》 その2
米衆おいても、株式にとっては奇妙な期間となった。3月14日に16,000を試してから、先週のダウは16,466まで戻り、結局は再びくじけて16,200に下げ戻した。反騰は12月31日につけた史上最高値16588にはるかに及ばなかった。また3月7日に4371に届いて10年ぶりの新高値をつけたナスダックは、その後ずっと転落し続け、先週3月27日木曜には4150近辺に下がった。したがって、米株市場のこれら高値から見られた異市場間弱気ダーバージェンスは今なお発効中だ。南米では、ブラジルのボベスパが突然活気づき、3月14日につけた安値から先週終盤に10%以上騰がって再度50,000を試した。アルゼンチンではメルバル指数が、週の終わりに史上新高値をつけた。こうして、ここ2週間は世界の特定の地域(インドと南米)の株式指数が非常に調子良く、その他の地域(中国、香港、ロシア)はそれほど良くないという結果になった。
金と銀にとっては、ここ2週にわたって両市場とも困難な時期となった。3月17日、金は1392.60をつけて今年の新高値まで舞い騰がった。ところが、3月28日金曜には1285を試しており、これは2週間もしないうちに100ドル以上を失い、12月31日の安値1181.40から騰げてきた分の50%近くを減らしたことになる。これについては今月のMMAサイクルズレポート(今週発行予定)で詳しく述べたい。銀もまた1月終わり以来の安値水準まで急落し、12月31日にスタートした直近のプライマリーサイクルの安値18.80に近付いている。一方原油は騰げに転じたと見え、価格は金曜の日中に再び1バレルあたり102ドル以上をつけるまで戻った。ここにはロシア、ヨーロッパ、そして米国間の政治不安について原油市場が世界に送っているメッセージがある。
だがそれはこんな疑問を呼ぶ:もし米国と西ヨーロッパが本当にロシアに対して財政的プレッシャーを与えたいなら、原油価格が下がることを望むのではないか? 原油価格の上昇は地政学的な緊張を示唆するかもしれない。だが、それはまたロシアの収益の柱のひとつなのだ。