4月28日付 メリマンコラム 《長期見通し》 その2
そしてこの問題はもう一つ重要なポイントを浮上させる。それは何かというと、対象について何も知らない人は、ある事実について、自分が抱く幻想に基づいた予測を立てがちだ。彼らの観点からすれば、カーディナル・グランドスクエアの期間中には何も起きなかった。何故なら彼らの目には何も映らなかったからだ。これは、次の疑問を呼び起こす。つまり、彼らは何を見たかったのか? 破壊的な大地震か? まさにスクエア当日に戦争が勃発することだったのか? それとも株式市場の暴落や経済パニックがその日に起きることを期待していたのだろうか? アストロロジーの、というより宇宙エネルギーの仕組みは、そのように働くものではない。だが無知な人々は予測という行為がそのように実現するのだと考える。しかしながら、アストロロジーは宿命論でもなければ占いでもない。アストロロジーの研究者は霊能者でもなければ預言者でもない。だが知識に欠けた人はそういった願望をアストロロジャーに対して投影しがちだ。
そこで、アストロロジーとは何か、どのように機能するのかについて手短に総括してみよう。但しこれは真のアストロロジーについてであり、新聞や雑誌その他、いくつかのインターネット・サイトに見られるような “太陽占星術” はそれら独自の機能(エンターテインメント)を持つことから、除外する。
例えば今回のカーディナル・グランドクロスのような長期にわたる惑星配置が展開する場合、必ずしもそれが外部の事象として示現するわけではない。もちろんその可能性はあるし、時折はそのまま現実化することがあるとしてもだ。それが意味するのは、惑星配置に含まれる惑星と位置する星座宮が持つ、それぞれに異質な心理学的及び行動上の力学が頂点に達するということで、それらが互いに混ざり合おうとする状況だ。時にこれは、発効当時から時を経るまで気付かれぬまま、長期にわたって影響をもたらすような決断として現れる。また、対立の強化に関連することがある。また時には、長い時を経て積み重ねられてきた物事の結末として示現することがある。だがアスペクト形成時の特定の時期にのみ関連するような、孤立した決定や出来事と関わるのは非常に稀だ。言葉を換えれば、この特定の宇宙イベントが起きる以前にその根底をなす力学はすでに増大してきており、アスペクト形成で頂点に達した後で、その結果がこれらのジオコズミックな力学に関わる、驚くような出来事として継続的に展開していく可能性があるのだ。