5月19日付 メリマンコラム 《回顧と展望》
今週、火星がとうとうその進行方向を変えるわけだが、何てこった……。今回は典型的な火星逆行スタイルのパターンじゃないか。それは強気筋(bulls:雄牛)と弱気筋(bears:熊)との間で繰り広げられる血みどろの抗争劇のようだ。どの市場も一日おきに(いや日計りレベルでさえも)始めは強気シグナルに沿い、その後弱気に転じるというトンボ返りを繰り返しているように見える。まるで 「留まるべきか、去るべきか?」「 愛されているの、いないの?」の駆け引きのようでもある。週の初めには誰もが株式、エネルギー相場、米国債に恋していた。週の終わりには、それほど確信を持てなくなっていた。
先週初めに始まった反騰では、DAX(独)、FTSE(英)、NYダウ工業平均やS&P500など、多くの指数が史上新高値まで舞い上がった。これは未だに発効中の火星・木星・天王星・冥王星間で形成されたカーディナル・グランドスクエア(の構成惑星)を金星がなぞる現象(金星トランスレーション)と同期して起きている。木曜までには、それら殆どの(全てではないが)指数がかなり急激な下落をみた。
米国債は3月1日に火星が逆行に転じて以来、最高値レベルまで急騰した(利回りは急低下)。Tノート(米国債10年物)6月限は、半年ぶりの最高値水準まで騰がり、その後ジオ射手座ファクター(射手座の月:5月16~17日)の下、金曜には売られて下落した。これはTノートではごく普通のパターンだ。NY原油は水曜(14日)に週の高値をつけた後、株と同様に引き戻された。金と銀も似たような道筋を辿り ― 14日に週の高値をつけて、いかにも新たな上昇へのブレークアウトのように見せながら、結局は尻すぼみとなり、金曜(16日)に向けて下げ戻った。これは典型的な火星逆行 ― まず良い気分にさせておいて、その後立ち去る ― に見られる動きだ。まずは勇猛な“雄牛”のようにふるまい、次に大人しい“熊さん”に化ける大きな悪いオオカミさんというわけだ。
だがそんなショーもそろそろ終演だ。5月20日には火星が順行に転じるし、5月24日には木星が3回目にして最後の土星へのトラインを形成する。ある程度の見かけ上の秩序が、ゆっくりとだが確実に、最初はたどたどしい足取りかもしれないが、ちょうど暗い嵐の雲間から待ち望まれた太陽が顔を覗かせ始めるような調子で戻って来る。これは全て、ただ単に私達が理解し対応していかねばならないエネルギーの様相に過ぎない。アストロロジーの真の姿はかくも深い。