5月19日付 メリマンコラム 《短期見通し》 その1
火星が5月20日に順行に転じる。これをもって、金星(2013年12月21日~2014年1月31日)、水星(2月6日〜28日)、最後の火星(3月1日〜5月20日)という6カ月に及ぶ“惑星逆行”による連続したから騒ぎ(spree)は終焉を迎える。もしこの期間に、金融市場の地合に起きている全ての変化のただ中で自分の頭がグルグル回っているような気がしていたなら、それがあなた一人だけではないことに慰めを見出して欲しい。世界中至る所の金融市場のアナリスト達が混乱と当惑に支配されていた(そして今も続いている)のだから。
彼らは何が今年の世界市場を動かしているのかについて全く確信が無く、その見通しも上昇から下落へと入れ替わってはまた戻りで、まるでヨーヨーのようだった。その間、一部の人々の関心の焦点は、中国とヨーロッパの経済だった(そして今もそうだ)。他の人々にとっては中央銀行の政策変化と“フォワードガイダンス(時間軸政策)” で(今もそうだ)、これが最近ユーロ通貨における2年半ぶりの高値からのリバーサルに繋がった。そして他の多くの人々にとっては、ウクライナを巡って奪取と分割が不可避に見える、ロシア、ヨーロッパそして米国間に高まる地政学的緊張だった(そして今もそうだ)。これらの要因の内、あるものは強気で他のものは弱気であり、優位を占める筋立てはその時その時で入れ替わり続けた。
こうした混乱は、入れ替わり立ち替わり続く個人惑星の逆行運動がもたらす長期の狂騒と関連がある。今回それは通常よりもっと激しく示現したが、その理由はこれが天王星・冥王星・木星のカーディナル・T字スクエアの形成期間中(2013年8月〜2014年4月)に起きたからで、あまつさえ、4月20日〜25日にはカーディナル・グランドクロスさえ形成されたのだった。こうした個人惑星の連続的逆行運動が起きる時、投資界ではどんなアイデアもその牽引力を長期にわたって保持するのは困難になる。何故なら、起こした行動の結果が望んだり期待した通りになることはめったに無いからだ。