2014.05.23

5月19日付 メリマンコラム  《回顧と展望》  その2

また別の説明は昨今の報道によって暴露されたもので、米国におけるいくつかの(おそらく30社ほどか?)主要メディアの人的流通経路がまるでホワイトハウスへの回転ドア状態になっているというものだ。米国政府で働いた人間がメディアに移る。メディアで働いた人間がその後政権内の職を得る。それが行きつ戻りつ繰り返されている。それは、私達が見たり聞いたりするニュースが、ホワイトハウスと近しい絆を持つ者達の手によって、見聞きするべく与えられたものだということを意味する。

こういった事実自体は今更目新しいことでもないが、しかし… それが今や、もはや現実というものが何なのかわからなくなるくらいの水準に達しているのかもしれない。これが、何故私がこれまでに無いほど「自分が何も知らないことを知っている」と確信するかの所以だ。
では、私が中国の同業者達から受け取った数通のメールから一通をご紹介しよう。彼は先週のコラムに応えてもう一つの衝撃的洞察を提供してくれたのだが、これもまた、米国ではほんの僅かな人々しか読むことはないであろう、世界の他の地域からの見方だ。

   —————————

“ 今週の週間コラムの内、長期見通しは非常に良い記事でした。私は、ここアジア、特に中国における米国への感情が、あなたのコラムの中でヨーロッパ人達が述べたものと同じだということをお伝えしたいと思います。 中国でも数年前までは、人々は概して米国とその暮らし方や生き方に敬意を抱いていました。人々はアメリカン・ドリームに倣ってチャイニーズ・ドリームを標榜していたものです。しかし最近では、中国の大衆が米国に不信感を抱き始めているのを強く感じることが出来ます…… 今後米国政府関係者がアジア地域を訪れるごとに、何かしらの紛争が巻き起こるでしょう。
米国の外交政策は…… 中国をますます強力にロシアとの同盟関係に追い立てていくのです(たとえ最初の内は渋々ながらだったとしても、です)。
中国とロシアの二国は、お互いを補い合って余りあるほどです。ロシアは天然資源と軍事テクノロジーを持っています。そして中国には大きな市場と経済力があるのです。両国が結束した同盟の力は非常に強大であり、米国にとっては扱うことが厳しくなるでしょう。中国という後ろ盾を持ったロシアにとって、米国がどんな経済制裁を仕掛けようと、怖ろしくも何ともないのです。そして中国は天然ガス、石油、ミサイル防御システム、それに加えて最も先進的な戦闘機を獲得して………”

   —————————