6月23日付 メリマンコラム 《回顧と展望》 その2
アジアと環太平洋地域では日経平均株価が良い動きを見せ、1月24日以来の最高値を記録。MICEX(露)もまた非常に好調で、木曜には1568に届いた。これは3月14日、ロシアが破壊行為の寸前に来ていると世界が信じた日につけた1182という安値から32%というナイスな上昇だった。もちろん、ロシアの最近の株価上昇は、イラクで起きている内戦に伴う原油価格の上昇に依るところが大きいかもしれない。だがこの地域の他の市場はそれほど好調ではなかった。たとえば中国だが、上海総合は再び数年ぶりの安値を試している。
米衆でも同じように、(二都物語ならぬ)二大陸物語という状況だった。ダウ工業平均とS&P500は金曜(20日)までに新たな史上最高値まで反騰したが、大した動きではなかった。ナスダック総合は14年ぶりの新高値をつけたが、それはかろうじて ― 3月早々につけた高値を1ポイント上回った―というものだった。ブラジルのボベスパはワールド・サッカー開催の波に乗って上昇を続けている。しかしながら、先週のアルゼンチンでは株式市場が急落した。6月10日、メルバルは8547という歴史的高値にあった。ところがそれから1週間後の6月17日には7043まで下落、金曜の引けまでに下落幅の幾分かを取り戻したのみだった。
だが、待てよ?…… 水星が逆行中だ(6月7日〜7月1日)。私達は全ての国の市場が共に歩調を揃えて行進するとは予測していない。それではあまりに単純過ぎる。そして、トリックスターたる水星が一番嫌うのは…… 単純さだ。これはまるで覚醒剤を使った海王星のようだ。混沌と不確実性が大きければ大きいほど良いトリップが出来る。たった一つの問題は、あぁ、もう、その後の副作用の何と酷いことか。