7月7日付 メリマンコラム 《回顧と展望》特別篇 その2
では、2014年の君のバースデー・ギフトについて話をしよう。先週のウォールストリートジャーナルで報じられたように、今回の誕生日は特別だった。君の株式市場が今年上半期に歴史的新高値で取引されたばかりか、国債や商品市場もまた非常に好調というのは1993年以来初めてのことだったからだ。なんと珍しくも素晴らしいことか!
さてと、この贈り物は誰から来たのだろう? あぁそうだ! 君の優しくも寛大な中央銀行だ。過去5年以上にわたり君の金利をゼロ近い水準に抑え続け、それによって投資家に、過去の保守的な手段ではもはや手の届かない高い収益を上げるためにこれまで以上のリスクを取るよう強いた、彼らだ。
おっと、前回投資コミュニティがこれほどレバレッジを利かせるリスクをとったのは… 確か… トンプソン-ロイターの表によれば、2006年〜2007年だ。 ん、ちょっと待った! これはあの時の直前だ… 2008年に世界中に拡がった米国発の金融危機の原因がこれではなかったか… だからこの種の貸付金で投機させるやり方は “信用バブル” の始まりだと言われている。 あぁ、何てことだ… バブルだと… つまり、アメリカのような大国の誕生パーティを祝う演し物の一部が “バブル” だということではないか?
そんな訳で、私達はもっぱら不思議に思っている。前回その年の上半期に株式、国債、商品市場が上昇をみた1993年以来、いったい何が起きたというのだ? うーむ…… パーティの興を削ぎたくはないが(たとえば最高裁判所がここ2週間でやらかしたようには)、しかし… 1994年は不況ではなかったのか? それは米国史上最大規模の地方自治体による債務不履行として、オレンジカウンティのデフォルトが起きた年ではなかったか? 実際、株式市場はその年の殆どで下落をみなかったか(4年サイクルの安値は11月に示現)? 国債はその年暴落しなかったか(確かにした)? そして金と銀もまた、その年は値を下げている。