2014.07.09

7月7日付 メリマンコラム  《回顧と展望》特別篇 その3

過去から学ぶべきことはあるだろうか? 常にある。だが今のところは、パーティが続く限り楽しめばいい。ちょうど1993年のように。あの年は株式市場に4.25%を超える大きな下落は無く、株価は月ごとに前月の高値を超えて騰がった。唯一前月を超えなかったのは4月だったが、それでもダウ平均で前月高値との差は1ポイント弱だった。

それは2012年6月に起きたことにとても良く似ている。ダウ平均には2011年10月以降、10%の下落が起きたことは無かった。だが2012年6月にはそれも終わった。そしてその時以来、どんな下落も7.5%を超えてはいない。そうだ。ダウ平均が7.5%を上回る下げを経験してから、今やもう2年以上経つのだ。前回、米株史上に2年以上にわたって7.5%を超える下落が起きなかったのはいつのことか? 私には何も言えない。

だが、これだけは言える。現況は並外れた贈り物だ。そして米国が(世界の他の国々も…いや本当に)これについて感謝するなら、自国の中央銀行に対してだ。少なくとも、今のうちは。 つまり、FRBの低金利政策こそが米国人に対して5年以上もの間、こんなにも信じがたいほど穏やかな株価上昇を与えてきたのだ。それはついに世界中の投資界に、金利が今後もまだ長い間低く留まり続けると確信させることになり、その結果、市場は極度に低いボラティリティを示してきた。低いボラティリティは “投資家の安心感” を生み出す。今やこれが “ニュー・ノーマル” だ…何はともあれ私達はそう考える。

現在、投資家による ‘利回り物色’ の傾向が強まっている。彼らはより大きな利益を得るために、借入資本を利用したこれまでに無いほど複雑な債券を探し求めている。このプロセスは ‘利回りバブル’ を発生させ、その直接的な結果が危険な貸付業務の復活だ。これはまさに、2008年〜2009年の金融危機を引き起こす要因となった行為だ。