7月14日付 メリマンコラム 《回顧と展望》 その3
では米国株式市場はどうだろう? 年初に16,572でスタートしたダウ平均は、1週間前の7月3日、史上新高値の17,074まで反騰した。これは今年初めから3%の上昇となるが、2月5日(「フォーキャスト2014」に掲載したMMAの★★★重要変化日は2月7日±3取引日だった)につけたプライマリー・サイクルの安値15,340からは11.3%だ。にもかかわらず、まさにここ米国株市場について、今や幾人かの市場コメンテーターが “バブル” という言葉を口にし、深刻な下落が始まる可能性を指摘している。前にも示唆したように、大方の市場アナリストは相場が天井をつけ現行サイクルが完了してから大分経ってからでないと株の弱気転換を宣言しないものだ。彼らはマーケットタイマーではない。彼らはマーケットタイミング・ツールのような先行指標の価値を理解していないか、あるいはその術を持たない。だから殆どが常に出遅れる。
さて、どうだろう。株式市場の史上最高値を見分けるにあたって、早いのと遅いのとではどちらが良いだろうか? 2012年6月〜2015年3月の天王星・冥王星スクエアの下、このアスペクトが全て完了する以前に株式市場の長期サイクルがトップアウトするという私の予測に変わりは無い。もちろん、私が間違っている可能性はある。これほど長期のアスペクトとなれば、時には完了後最長1年ほどオーブを保つことがあり、それが続行する波及相場となる可能性がある。いずれにせよ、この上げ相場のサイクルは非常に熟し切っており、いつ天井をつけてもおかしくない。2009年3月6日〜9日につけた長期サイクルの安値からはすでに5年以上経過しているのだ。
7月29日に予定している次回のMMAサイクルズ・レポートでは、株式についてのスペシャル・レポートを発行するかもしれない。それはここしばらくの期間中初めての、株のスペシャル版となるだろう。
ところで株式市場がすでに7月3日にトップアウトした可能性はあるだろうか? 答はイエスだ。可能性はある。私達はその可能性について ー そして可能性を支持するシグナルについて ー 先週の “米国の誕生日コラム” の中で取り上げた(“目先を見るなら、前週は世界の殆どの指数で2014年2月初めに始まったプライマリー・サイクルの21週目だった。プライマリー・サイクルが21週を過ぎてから新高値をつけるというのは、全くもって珍しい”)。 実際、先週は世界の多くの株式市場が下落した。おそらく一番酷かったのは、センセックスが1000ポイント近く下げたインドだろう。だが今のところ、この下げは単にプライマリー・サイクルの終わりに典型的に起きてくる、通常の修正安の範疇に留まっている。