11月03日付 メリマンコラム 《短期および長期見通し》 その1
“ 経済学が持つ興味深い役割は、自分達が思考によって創出し得ると思い込んでいる物事について、実際にはどれほど無知であるかを人々に描いてみせることだ。”
― フリードリヒ・ハイエク “ The Fatal Conceit(致命的なうぬぼれ)” より
University of Chicago Press, USA, 1988
“ 最近の政府による介入は、今日の政治家と官僚が、自分達はまさにどんな物事でも案出可能だと考えていることを示唆している。このような無知が裏目に出て、経済学者が呼ぶところの「想定外の結果」をもたらしたのだ。….. 傲慢さは我々をさらなる貧困に導くのみならず、自由を失わせもするというのが著書の中心的なテーマであった。”
―ドナルド・ブードロー & タッド・ツウィッキ
“A Nobel economists Caution About Government
(ノーベル賞経済学者による政府への警鐘)” より
F.ハイエクの著書への言及部分
2014年10月13日付 ウォールストリートジャーナル
前回のコラムの当欄は「乱世(wild times)が始まっている」というシンプルなひと言から始まった。これは、単に天王星・冥王星ワクシングスクエア(の終盤)の話だけではなく、風のサイン(双子座、天秤座、水瓶座)で起こる水星逆行に対する前奏曲とも関連付けた。この“風の水星逆行”はおよそ7年ごとに発生する宇宙現象である。皆さんは2009年10月の暴落以前、世界の株式指数が史上最高値をつけたのが2007年10月であったことをご記憶かと思う。更にそれ以前の史上最高値が2000年1月〜3月で、これが2002年10月〜2003年3月に起きた暴落に先行して示現したものだということも。こうした事象については、もうすぐ上梓予定の「フォーキャスト2015」で詳説するつもりだ。
さて、大変興味深くまた目を見張らせるほどの動き(ピークはより高く そして/または 谷底はより深く)になる可能性を秘めた相場つきが11月7日(金曜)の満月にスタートし、11月26日まで続く。また、今週と来週はファンダメンタルの面から見ても爆発性を秘めている。今週4日は米中間選挙。巷では民主党が上院の主導権を失い、共和党が下院の大多数を占めて支配力を強めるだろうと広く予想されている。そのような結果は事実上の行き詰まりを保証するものであり、おそらく株式市場が騰がっている理由の一つかもしれない。連邦政府の活動が麻痺するような状態は、ビジネス界のマインドにとってはポジティブな現象と映っている可能性がある。つまり、“民間部門への政府の介入は少なければ少ないほど良い” という考え方だ。更に満月となる7日には、米国労働省からこのところ気まぐれな数字を示してきた雇用統計の発表がある。10月の非農業雇用者数(NFP)が一部の事前予想では前月比27万5,000人増という数字が見込まれている。