著名なエコノミストであるフリードリヒ・ハイエク。彼の著書『The Fatal Conceit/致命的な自惚れ(思いあがり)』 (シカゴ大学出版:1988年) の中にこのような記述がある “経済学が持つ興味深い役割は、自分達が思考によって創出し得ると思い込んでいる物事について、実際にはどれほど無知であるかを人々に描いてみせることだ”。だが、それさえも、本物の危機とは言い難い。真の危機は、“傍目から見た” 中央銀行の信頼性が失われることにある。
もしインフレ率の増加に成功しなかったら?
成功したとしても、もしその増加率をコントロール出来なかったら?
世界経済を運営するために中央銀行が手にした力に対する絶対の信奉を世界が失えば何が起きるか?
もし土星(損失)・海王星(信頼と夢)のスクエアが制御不能の悪夢に変わるとしたら?
それもまた土星・海王星スクエアで示現する可能性を持つ象意だ。
通貨市場にご注目戴きたい。それらは金や銀のような他の商品市場に起きる価格変動を理解する鍵となるだろう。金は先週、8月19日以来初めて1300ドルを超える反騰をみせた。しかも米ドル(指数)さえも11年以上ぶりの高値に昇ったというのにだ。金が米ドルと共に騰がるって? それは全く起こり得ない話だ…。 金融世界の不確実性(信頼の喪失、制御能力の喪失、土星・海王星スクエア)のレベルもまた共に上昇していない限りは…。
一方、中央銀行が経済を統御する力への信頼を世界が維持し、中央銀行が自国の通貨価値を下げるために紙幣を製造してそれを各国の負債買入に回し続ける限り、株式市場が騰がり続ける可能性は高い。少なくとも、これら中央銀行の能力への信仰が崩壊するまでは続くだろう。